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有限会社 矢内石油様

手作業だったセミナー管理が、申し込みから請求書発行までの一連管理をkintoneで可能に!

kintone・連携サービスを、ユーザーとしての活用に加え、お客様への提案も行なっている矢内様よりお話を伺った。矢内様は「kintoneAWARD2018」にてグランプリを受賞している。


『有限会社矢内石油』の業務内容について


「弊社は福島県の中島村にあるんですが、村内でまだ車が2台くらいしかなかった時に"これからは車の時代がくる"と思い、ドラム缶から油を手動で出して供給する形でスタートしました。

その後石炭から石油、蒸気からガソリンのように、徐々に時代背景が変わっていく中で油の供給から家庭用のLPガスに事業内容が加わっていきました。

2000年を過ぎたあたりで、エコキュートが登場し、オール電化の住宅が普及し始めました。 当社ではガスの収益が大きかったので、毎月一定数契約が見込めるビジネススタイルでしたが、 オール電化の影響で少しずつ契約数が減り、このままじゃまずい、新しい種を探そうと始めたのが、リフォーム事業だったんです。

リフォームって、燃料と関係があるんですかとよく聞かれるんですが、LPガスの住宅に関わる燃料は、湯沸かし器用の燃料にもなるため、お湯を出す機械に燃料が絡んでくるんです。 そこからお風呂だったり給湯器だったり、住宅に関わりがあるので、お客様に喜んでもらえるだろうと思い、リフォーム事業を始めました。」

御社のミッションとして掲げている「くつろぎの場を増やす」について心掛けていることはありますか。


「私の会社もまだまだ発展途上なので、従業員も含めて地域の方にそのキャッチフレーズを伝えられているかと考えると、まだまだ永遠のミッションだと思っています。

出来る限り、社員の自主性の芽を摘まないようしたり、社員がやりたいって思うことはやらせてあげたいと心掛けています。
社員の皆から出てきた芽が育っていき、それが働く上で誇りになっていったり、成長の源になったらいいなとは、ずっと考えています。

具体的なところで言うと、ガソリンスタンドを2012年に建て替えたのですが、後から車のコーティングという新しいサービスを付け加えました。
新サービス導入については、私からやりなさいと指示を出した訳でなく、あるスタッフがやりたいですと声をあげてくれて、ガソリンスタンドのオープン後、商品として実際に売り出しました。

そうするとお客様からすごく喜ぶ声をいただいて、恐らくそれが社員たちの永遠に回るエンジンに変わったんでしょうね。それを見ていた別の社員たちが、あんなにお客様に喜んでもらえるサービスを私も作ってみたいと変わっていきました。
今ではガソリンスタンドから派生したカーコーティングと、ガス事業から発生したリフォーム、この2つが会社の核になっています。」

社員数増員に伴い、Excel×メールでの情報共有が困難に

矢内様は、始めは1つずつ手作業で行っていた業務の中で、kintoneを取り入れましたね。kintone導入前は、どのような点に課題を感じていましたか。


「社内の情報共有に時間や手間がかかるという点が大きかったです。導入前は GmailやExcel、Dropboxを駆使して共有していました。

うまく情報共有ができていないと、お客様の要望にも対応できず、このままだといいサービスが提供ができないなと思うようになりました。少しずつ社員も増えてきたこともあり、今後どのように運営していったらいいのかを真剣に考えるようになりました。

当時はグループウェアにお金を掛けるという発想が正直湧かず、最初は「サイボウズLive」を導入しました。
使い始めて、これといった不満は特にありませんでしたが、もっとこうしたいという欲がどんどん出てくるようになりました。

その後、サイボウズさんの導入相談cafeにアポイントをとりました。
事前にトライアルで機能検証を行い、サイボウズさんに相談に行く頃には、
「もう十分理解されていますね」と言ってもらえるほど、夢中になってkintoneを触っていました。
2016年1月のkintone契約から社内活用が進むたびに少しずつアプリも増えていき、今ではより効果的な活用ができるよう外部サービスも連携させています。」

1件1件手作業だったセミナー管理が、kintone×連携サービスにより一連の業務フローで手間を削減、自動処理が実現

kintoneやkintone連携サービスの導入前は、実際にどのような運用をされていましたか。


「今までお話したリフォームやコーティングとは全く関係が無いのですが、私がセミナー&研修管理を行うことになったことをきっかけに、セミナーの管理を行う必要が出てきたんです。
なぜ研修会社でもないのにセミナー管理システムを作り運用するようになったかというと地元福島県白河の地でフラットに学び合える環境を提供したいと思ったからです。
私たちの地元白河は人口7万人程度の小さな街、私の住む地域は人口5,000人の村です。良質な学びを得ようと思えば、東京や仙台、大阪など都市部のほうに足を運ばなければ受講することができません。
しかし、都市部での受講となると研修費の他、交通費がばかになりません。そして、結婚している社員もいればいろんな事情で泊りがけの研修には出れない環境の方もいます。
しかし、いざ研修参加者を募集し、受付し、請求や事務連絡のフォローを行うと1名の参加希望者に対して私が行うアクションは5つくらいになったりします。20名の参加者になると、ざっと100アクション。これは今後色々と手間が増えていくことが想像できました。

当時はセミナー募集のプラットフォームとして、他社製品を使用していました。
フォームから申込みがあると、管理者へ通知がいくシステムだったので、そこから申込み内容をCSVでダウンロードをしていました。

当時はGmailも併用していたので、1件1件返信をするという流れでした。

その際、学生さんは無料で参加できるセミナーだったので、
学生さんからのお申込みについては、無料で参加が可能という内容で返信しなくてはなりませんでした。
申込み者に応じて、1件1件メールの内容を精査して使い分けないといけない部分がとても面倒でした。

Before:kintone・連携サービス導入前の工程


どのようにしたら効率的に運用ができるのか試行錯誤の末、kintoneと連携サービスを取り入れました。

サービス導入後の大まかな流れとしては、まずフォームブリッジを使用してWEBフォームからの申し込みを行ないます。フォームからの回答と同時に、kintoneに回答内容が自動で登録され、回答を受け付けましたという内容のメールをお申込みされたお客様宛に自動的に返信メールを送ります。

更にプリントクリエイターを組み合わせることで、自動返信メールからお申込み者ご自身で、回答内容に応じた請求書を発行するというのが大まかな流れになります。 セミナー管理のフローが、申込みから請求書の発行まで自動処理できるようになり、手間が省けて嬉しいです。」

After:kintone・連携サービス導入後の工程


複数開催するセミナー受付が、一度の申込みでユーザー自身による管理が可能に

セミナー管理アプリでは、フォームブリッジとプリントクリエイターの連携に加え、kViewerも使用して運用されていますね。


「一連の流れに加えてkViewerを組み合わせることで、"Myページ"機能を使用して、申込みを行ったユーザー自身がイベントごとに内容を修正して請求書を発行できるようになりました。

当初は回答フォームで"ドロップダウン"フィールドを設定し、毎回イベントの度にメールを送信し、イベント内容をドロップダウンから選択する形で運用していました。

ドロップダウンの運用では、セミナーを追加したり、終了する度に選択肢を追加・削除しないといけないので大変でした。

毎月継続しての利用を考えた時に、毎回イベントがあるごとにレコードを追加するとなると、それぞれkintoneとフォームブリッジでフィールドを合わせるのも少し手間だなと考えるようになりました。

そこでkintoneのレコードデータを申込みフォームに引用できればと、"ドロップダウン"ではなく、フォームブリッジとkViewerを連携して"kViewerルックアップ"を使用することにしました。
そこからkintoneのマスターデータから引っ張ってきて選択させるような運用に切り替えました。

フォーム上に表示させる、させないは、それぞれkViewerの絞り込み条件で、セミナーの日付を管理者側で設定してしまえば、表示させたいレコード内容のみを引用することができるようになりました。
このように、極力手動での操作をなくすように考えています。

新しいイベントや研修では、kintoneのイベントマスタにイベント内容や、研修内容の詳細を入力すればいい訳ですから。例えば会場が変われば、会場の情報もマスタアプリから引っ張ってくる設定をしているので、転記する必要もありません。

フォームブリッジからの自動返信メールは、会場の場所等の詳細な内容を含めて、メールの本文に情報を記載できるのがいいですよね。
フォームからの回答内容を引用することで、こちらのミスも防げますし、申し込み者自身で回答内容の確認も可能なので、とても助かります。」

複数アプリを使用しての一連の流れはこちら


kintoneと連携サービスの組み合わせは、どのように作成されましたか。何か参考にされたのでしょうか。


「ずっとトヨクモさんのホームぺージにあるブログを見ていて、これができるかなぁというネタを頭に都度インプットしていました。1つの製品だと形にならない場合は、例えばフォームブリッジとkViewerを組み合わせるとできるかなと製品を繋ぎ合わせて検討していました。

kintoneを導入してからずっと、1個1個の小さなネタの引き出しを大事にしまっておくことを大切にしています。このシーンはkViewerが活きる、このシーンではその他の連携サービスが活きる等の発想をもっていれば、状況に合わせて色々アイデアが湧いてくるところが、個人的に気に入っているんです。

今後は、"kMailer"と、グレープシティ株式会社さんの"krewData"とを組み合わせてステップメールのような形で繋いでいけそうだなとも思っています。

あと今は株式会社アーセスさんの"KANBAN"とkintoneを組み合わせて使用したりもしています。
ワンタッチでコミュニケーションがとれるので、とても便利なんです。

画面上で現状を社内で共有し、途中でステータスを変更したら、営業担当に通知がいくんですよ。
その案件の通知をもらったら、お客様に対して営業担当が進捗の報告に行くような流れなので、製造系のお客様には重宝されるのではないかなと思っています。
指一本からの通知、他部署への連携ができるので、今それをトライしているんです。

kintoneや連携製品は、要するに定義力ですよね。例えば素材である人参を、千切りにするにも、どんな切り方にするにも。どのようにして食べたいかによって、そこからの想像力によるんですよね。そう考えていくと楽しいですよね。」

ユーザーとしての利用から、自身で経験した業務改善に悩むユーザーへの提案も行う

弊社製品をお客様へご提案される際は、どのようなことを心掛けていますか。


「私は、現場の業務改善に大変興味があります。 オフィスでデスクワークしている人の業務改善というよりは、ITに無関係で、せいぜい使えてスマートフォンという方に、まずはkintone等を意識せずに使えるような環境で、チームワークや業務改善につながるような関わりがしたいなと思っています。

機能ベースで、まず機能から何ができるかという発想よりも、お客様で現状どんな課題があるかを伺い、そこから発想することが多いです。現場の今の悩みや課題など、お話を実際に伺う中で頭の中でこれとあれならできるなって頭の中でパズルを組み合わせるようにしていくんです。

例えばビルメンテナンス関係の方向けの提案の場合は、様々な報告内容に対して、1つのアプリで管理することが難しいので、利用用途に応じてそれぞれアプリを作成する必要があります。

そこでkintoneの関連レコード一覧機能を利用してアプリごとの情報を引用します。
その後kMailerと連携を行えば、発送OKとレコードを変更したタイミングで、自動送信で通知することもできます。

kMailerを使用して自動送信を行うことは、ビルメンテナンス系の方にはとても需要があるのではないかなと思っています。このように、kintoneと連携サービスの組み合わせ次第で、色んなアイデアを形にしています。」

ボードを使用しながら、詳細に説明をしてくださる矢内様


現在は、業務改善の様々な需要に応じて「hatch」として運営されていますね。


「そうなんです。元々の由来は宇宙船の扉部分の"ハッチ"からきているんです。
kintoneや連携製品に触れてみて、今まで蓋されていたものをぱかって開ける瞬間を沢山見てきたのでそれが僕の仕事だと思い、少しでもそういった方の業務改善に手助けができればなと思い、『hatch』とつけました。

Excelやメールしか使えない場合、その状態で1から自分たちでデータベースを管理しようとすると、ああしたいこうしたいっていうのを、一旦定義づけて作成、リリース、直すという作業をしていたら、ものすごく時間や、様々なコストがかかってしまうんですよね。
費用的なコストもですし、コミュニケーション的なコストもかかってくる。

そうじゃなく、目の前で直せるとか、このスピード感が皆の希望の炎に変わっていくんですよね。
まさにそこだと思ったんです。そういった部分を育てるのが、僕の仕事だと。そういう意味で扉を開けるんだなと思ってハッチにしたんですけど。

あとは『hatch』のロゴは卵の形をしていますが、これは皆さんが元々持っている部分なんです。 卵として殻を割って外に飛び出すということです。卵の孵化という意味も掛かっていて、このように『hatch』には色んな思いを込めています。」

kintoneのデータが構築されてきたらkBackupの導入を考える

弊社のkBackupもご利用されておりますが、導入に至るまでの経緯を教えてください。


「あるお客様から"マスタアプリの◯◯を誤って消してしまいました"と報告を受けたことがありまして。

そのアプリだけならよかったんですが、他のアプリもレコード番号等で繋いでいたので、過去の履歴どうしようと困ってしまったことがきっかけです。

そこからkintoneのアプリを削除しないためにアクセス権をきちんと設定しなくては思いました。
ただどうしたって削除してしまった場合は 、どうしようもないので、バックアップが必要だなと思い、自社でもすぐに導入しました。

kintoneアプリでデータが増えれば増えるほど、その重要性が高まってくると思うので、kintoneに残ったデータが完全に財産化したタイミングになったら、kBackupはマストで入れていかなくちゃいけないなって思います。

データ量にもよりますが、だいたい1年経てばkintoneを今後使うかという目処が立つと思うので、そのタイミングで導入すべきだと思います。マスタ―アプリが消えてしまうと、紐づいているアプリが全部消えちゃいますからね。」



貴重なお話をありがとうございました。