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導入事例

加古川市役所様

兵庫県加古川市がkintone導入で特別定額給付金申請のオンライン化を実現、事務処理スピードが10倍に!

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加古川市役所様
加古川市役所様

サービス

FormBridge

kViewer

業種

自治体・公務

部署

顧客サービス・サポート

利用用途

予約・申請管理



加古川市は兵庫県南部にある東播磨地方の都市です。1950年に発足し、今年で市制70周年を迎えました。加古川市は県下最大の一級河川「加古川」が中央部を流れており、海岸線には播磨臨海工業地帯の一翼を担う鉄鋼工場があります。また、国宝などを多数所蔵する鶴林寺などの神社仏閣や眺望と自然が満喫できる高御位山など、文化遺産の多い町です。

2020年5月、新型コロナウイルスに対する緊急経済対策として、全国民に特別定額給付金が給付されました。一律10万円が給付されるのですが、ご存じの通り手続きは混乱し、オンライン申請を中止したり、給付が遅れる自治体が続出しました。重複申請する人もおり、ひどい場合は10回以上繰り返して申請するケースもありました。自治体側もチェックできず、複数回振り込んでしまったケースが報道されていました。

しかし、加古川市はまったく問題なく給付を行い、マイナポータルからのオンライン申請も最後まで受け付けました。もちろん、重複支払いもありません。なんと、短期間で作成したkintoneとフォームブリッジを活用したシステムを独自に運用し、職員の手間を減らしつつも、スムーズに市民へ給付金を給付したのです。

今回は、kintoneとトヨクモ製品を組み合わせて、給付金申請システムを作った経緯を、加古川市企画部情報政策課副課長 兼 ICTまちづくり担当副課長 兼 新型コロナ感染症生活支援課事務担当副課長である多田功氏に伺いました。

加古川市企画部情報政策課副課長 多田功氏。


次亜塩素酸水の配布やテイクアウト対応飲食店を管理するためにkintoneを導入


加古川市役所の企画部情報政策課で働く多田氏は、スマートシティの取り組みや情報システムの管理、ネットワークの整備などを行っています。以前は、内部のサーバーやホストシステムを管理したり、必要に応じて開発もしていました。マイナンバー制度ができてからは、内部だけでなく市民とも直接関わるような仕事も手がけるようになったそうです。

加古川市は、情報通信技術(ICT)を活用し、スマートシティを実現するべくまちづくりを進めています。中でも全国的に有名なのが「見守りカメラ」です。平成29年度は小学校の通学路や学校周辺を中心に900台の見守りカメラを設置しました。平成30年度は公園や駐輪場の周辺や主要道路の交差点などを中心に575台のカメラを設置しています。カメラにはBLEタグ検知器を搭載しており、子供や高齢者の方の位置情報を家族に知らせる見守りサービスにも取り組んでおり、安全安心なまちを支えています。

2020年4月、新型コロナウイルスの感染が拡大したことを受けて、加古川市は除菌作用のある次亜塩素酸水を作り、市民に無料で配布しました。市内の小売店において除菌液が不足している時だったので、とてもありがたいサービスです。

「10拠点で次亜塩素酸水を配布していたのですが、在庫の管理ができていませんでした。そこでkintoneを使ってみたのです」と多田氏。

多田氏は2019年のITイベントに参加したときに、kintoneを知る機会があり、エクセルの代わりになりそうだ、とkintoneの試用を始めました。勉強しながらアプリはすぐにできたのですが、この時には使われることなく、配布が終了してしまったそうです。

kintoneの使い方を覚えた多田氏は、次に飲食店支援のシステム構築にチャレンジします。当時、あちこちの自治体が飲食店支援という名目で、テイクアウトやデリバリーをしているお店を紹介するウェブサイトを公開していました。しかし、ほとんどが民間事業者に依頼し、お金を払って作っていたのです。

多田氏は、このシステムをkintone中心に構築できると考えました。飲食店の情報は飲食店側に入力してもらえば、市役所の職員が手をかける必要がありません。そこで、フォームブリッジで飲食店の情報を入力するフォームを作成し、公開したのです。

フォームから入力されたデータはkintoneアプリに蓄積され、そのデータを株式会社フューチャーリンクネットワーク様がオープンデータ化して、行政情報ダッシュボードに表示するようにしました。

加古川市オープンデータとして、テイクアウトやデリバリーに対応している飲食店を地図上に表示するサービスを提供しています。


特別定額給付金の申請を処理するためにkintoneアプリを作成


特別定額給付金は、2020年4月下旬に閣議決定されました。国民に一律10万円の給付が始まるということで大々的にニュースとなり、沢山の人が申請に殺到しました。早い自治体では5月1日からマイナポータルで受付が始まり、加古川市では5月8日から受け付けました。

「多くの自治体が、マイナポータルから来たオンライン申請のデータを紙に印刷して処理し、システムへ入力していました。これは大きな時間のロスになるので、加古川市ではマイナポータルから来たデータをMicrosoft Accessで作ったシステムへ直接取り込んで処理できるようにしました」(多田氏)

住民情報や4月27日の基準日に対象者であったかどうかなどを確認し、情報を突合するのですが、デジタルのまま確認できるので事務の効率が格段に上がります。このAccessのシステムは多田氏がゴールデンウィーク中に作ったそうです。

デジタルで処理しているので、重複申請した人がいても、登録時に検索すれば分かるので手間をかけずにチェックできます。そのため、余計なトラブルも起きません。

しかし、当時マイナンバーカードを持っている人の割合は約20%です。加古川市は人口26万人、11万6000世帯を抱えていますが、マイナポータルから申請できるのは1万世帯、実際は5000件くらいしか来ないだろうと予測していました。そのため、残り11万1000世帯以上は紙の申込書が届くことになります。

マイナポータルからの申し込みを迅速に処理することができたので、加古川市は次のハードルのことを考えて動いていました。11万1000世帯の申請書類を職員が手で入力するのは無理だと判断し、最近精度が向上しているAI OCRサービスを検討したのです。AI OCRは書類をスキャンしてデータ化し、文字を認識してテキスト化する技術です。単に文字を認識するだけでなく、AIにより認識率を向上できます。

加古川市の想定では1日9000件処理できればいいと考えていたところ、動かしてみると思ったより精度と速度が出なかったそうです。2倍くらいの時間がかかりそうだったので、AI OCRで読み込む箇所を減らすことにしました。例えば、住所や家族の情報は市役所側にもあるので無理に読まなくてもいいのです。照会番号さえあれば、こちらで検索できます。後は、振込先の口座番号だけ読み取れればOKです。

「照会番号と口座番号が分かれば振り込みができる、と気がついたのが5月21日の昼です。マイナンバーカードがなくても、インターネットから申し込めるサービスを作れると考えました。そこで、その日の夜にkintoneとフォームブリッジで給付金アプリを作成しました。早速、翌日の22日に市長へ給付金アプリを利用した処理方法について説明しました。そこでゴーサインが出て、27日にサービスを開始しました」(多田氏)

短期間でサービスインしたWeb申請システムの画面です。


入力画面ではフォームブリッジとkViewerを連携させたkViewerルックアップ機能も利用しています。銀行名と支店名を入力するためです。「銀行名や支店名を正しく入力できる人は少ない」と多田氏は考えました。そのため、銀行名のマスターアプリを用意して、引っ張ってくることにしたのです。しかし、kintoneのルックアップでは銀行名を選択した後に、その銀行の支店だけをリスト表示することはできません。

そこで多田氏は銀行名と支店名を合わせたデータを作りました。銀行名で検索すると支店名と一緒になった一覧が表示されます。その際は、加古川市とその周辺にある支店が上位に表示されるようにしました。支店名だけ入れれば、同じ支店名の全国の銀行が表示されます。ユーザーは選択肢から選ぶだけで、正確な銀行名と支店名を入力できるようになりました。

銀行名と支店名を並べて検索できるように工夫しました。


フォームブリッジに入力してもらった照会番号と銀行口座情報、そして本人確認書類と振込先口座確認書類の画像をkintoneに登録し、その情報を1画面に表示するようにレイアウトしました。これで、口座の情報を確認し、そのデータをCSVで出力します。これは、デジタルデータで送られてくるので、Accessのシステムに入れれば、入金処理が進みます。

「マイナポータルからのデータを処理するノウハウをすでに持っていたので、加古川市独自のオンライン申請も仕組みとしては入り口が1個増えただけに過ぎませんでした」(多田氏)

入力してもらったデータは職員が1画面で確認できるようにしました。


紙の郵送もバーコードリーダーで省力化し、10倍の業務効率化を実現!


kintoneとフォームブリッジを中心としたシステムを導入することで、1時間あたり114件もの処理が可能になりました。郵送申請を職員が手で処理した場合、1時間に12.8件というところなので、圧倒的な効率化が実現しました。現場の人たちに言わせると、10倍以上早くなったそうです。

「誤入力を抑えるために、入力項目を極力少なくしました。仮に誤入力率が1%だとしても、入力項目が多くなると、結局ミスが増えます。今回は、項目を減らした上に、チェックがかかるようにしていたので、正確に入力してもらうことができました」(多田氏)

とは言え、このシステムは周知に時間が取れなかったので、利用率は12%に留まりました。マイナポータル経由が3.5%なので、残りすべてが郵送で申請されたのです。

多田氏はこの紙の申請も効率化したいと考えました。そこで、申請書に記載されている照会番号のバーコードをバーコードリーダーで読み込むようにしました。後は、口座情報を登録するだけです。これはすでに作成しているkintoneアプリを流用できます。

「元々作っていたアプリにIPアドレス制限をかけて、加古川市役所内でしか使えなくして、職員に入力してもらいました。」(多田氏)

紙の申請書のバーコードを読み込むことで効率的に処理できました。


他の自治体が申請書類の全情報を入力しているのに、加古川市は申請書に印字されたバーコードを読み込んで口座情報を入力するだけなので、スピードが段違いなのは当然です。

特別定額給付金は2020年8月で受付が終了しました。特別定額給付金の対象になる基準日は4月27日だったので、続けて加古川市は4月28日以降に生まれた子供にも独自に給付金を支給することを決めました。この「加古川市新生児特別定額給付金」は原則オンラインのみで受け付けることにしました。照会番号だけを郵送し、kintoneとフォームブリッジで作成した申請システムにアクセスしてもらうようにしたのです。

市独自の新生児特別定額給付金は、申請される方の利便性を考慮し原則オンラインのみで受け付けるようにしました。


さらに、入金日の確認もできるようにしました。もちろん、このシステムもkintoneとフォームブリッジ、kViewerで作りました。kintoneに登録された情報をAccessに取り込んで支払い処理をしたら、その情報をCSVで出力してkintoneに取り込み、支払日を更新するようにしたのです。これで、問い合わせの連絡に対応する必要がなくなりました。

「コードを覚えるのはハードルが高いですけど、kintoneとフォームブリッジ、kViewerなら、ちょっと触れば使えるようになります。外注する場合は、予算を取るのに1年かかってしまい、作った頃には必要がなくなっている、ということにもなりかねません。Accessでシステムを作ると属人化してしまい、制作者がいないとメンテナンスもできなくなるのもよくある話です。デジタル庁ができたこともそうですが、行政はもっとデジタルにシフトしていかなければなりません。できるだけ手間を減らすために、管理しやすいものを作るということが重要です」(多田氏)

kintoneやトヨクモ製品であれば、最初に少し使い方のクセを学ぶだけで、すぐに使えるようになるのがメリットだと多田氏。短期間で作ったアプリでも、膨大な手間を削減できるという驚きの事例でした。

最後に今後の展望を伺いました。


「加古川市はスマートシティの実現を目指しています。もちろん、一番は市民のためです。同時に、市役所の職員も楽にならなければいけないと思っています。今までの自治体は、市民が楽になることをやった分、相反して職員が大変な思いをすることがありました。市民も職員もどちらも楽になるようにしていく必要があると思います」と多田氏は語ってくれました。

この事例で活用した機能はこちら

FormBridge|ステップフォーム

1つのフォームを複数ページに分けて表示できます。例えば「お客様の情報」「お申し込み内容」のようにページを分けることで、順序に沿って回答しやすくなります。

FormBridge |kViewerルックアップ

kintoneアプリのデータをマスタとして引用できます。例えば、選択肢からAを選択するだけで、Aに紐づく情報が回答画面に自動反映されるような設定が可能です。

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