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株式会社ジーベックテクノロジー様

世界中からくる月100件の問い合わせを、フォームブリッジとkintoneで手間なくシステム構築できたワケ

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株式会社ジーベックテクノロジー様

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株式会社ジーベックテクノロジーは1996年に設立され、創業事業である金型研磨用セラミック砥石は世界シェア80%、続くバリ取りツールは「バリ取りの自動化」をコンセプトに、世界40か国・輸出比率70%に広がっており、様々な分野で利用されています。金属部品を加工する際、穴を開けたり、削った後にささくれができます。このささくれをバリと呼ぶのですが、そのままにしておくと、エンジンが動かないなどの故障・トラブルにつながってしまいます。そのため、バリ取りツールでバリを削って綺麗にする工程はとても重要なのです。

多くの顧客とコンタクトするため、SFA(営業支援ツール)が必要になり、2003年に自社開発したSFA風システム、2012年に海外のSFAツール『Salesforce』を導入しました。しかし、社内の利用ニーズとマッチせず、2014年にkintoneを導入。ホームページに設置した問い合わせフォームからデータを自動登録するというニーズがあったので、『フォームブリッジ』(当時は『フォームクリエイター』)も同時に導入されました。
今回は、フォームブリッジを活用して世界中からの問い合わせを自動的にさばき、業務効率をアップさせた経緯と導入効果を本堂円氏に伺いました。

管理部 本堂円氏


事業拡大とともにkintoneを導入


ジーベックテクノロジーでは、以前自社で開発したSFAのようなシステムを利用していました。顧客を訪問したら案件の情報を記録するものですが、利用していくうちに、利用用途に合わなくなってきました。営業マンが数名しかいなかった頃はよかったのですが、会社の規模が大きくなり、人数が増えてくると案件を引き継いだり、過去の案件の検索などが難しく、ナレッジを共有しにくかったそうです。

ホームページを刷新するにあたり、問い合わせを自動でデータベースに取り込みたいというニーズも出てきました。そこで導入したのが『Salesforce』です。社長の指示で2012年に導入されました。システムの設計も外注するパートナーも決まった頃に本堂氏が産休から戻って来ました。そこから現場側の要望とシステムでできることの調整を行ったそうです。

「調整する段階で、これはなかなか使いづらそうと気がついたのですが、既に1年の契約はしてしまったと聞いたので、形にするだけはやってみようと走り出しました」(本堂氏)

問い合わせフォームに入力してもらった内容を自動登録する仕組みは構築できました。しかし、2年経っても営業での活用が進みませんでした。営業担当者が顧客の話を聞いて、頭で内容を整理する動線と、『Salesforce』ではカスタマイズができない動線がかみ合っていなかったためです。そのため、使いにくいという理由でシステムは利用せず情報を入力すらしないという状況に陥ってしまいました。また、ライセンス料が高かったので、営業担当分のアカウントしか契約しておらず、全社での情報共有もできません。

営業の履歴をデータベースにしておく必要性があったので、何とかしなければいけません。ジーベックテクノロジーでは『サイボウズOffice』を導入していたので、もちろんkintoneのことは知っていました。しかし、本当に『Salesforce』から移行できるのか確証がなかったそうです。そんな中、展示会でkintoneのブースを見て紹介してもらったところ、希望通りの運用ができそうと感じ、お試しをすることにしました。

いくつかのアプリを作ってとりあえず走らせてみたところ、なんとかやれそうだ、と判断し『Salesforce』から移行することにしました。コストが格段に安いので、今度は全社員にkintoneアカウントを用意することができました。そこで、続けて『サイボウズOffice』もkintoneへ乗り換え、一本化することになったのです。



条件分岐や画像の添付などフォーム機能を徹底活用


以前のシステムを作るときは、本堂氏と業者で進めたそうです。しかし、うまくシステムを活用できなかった失敗を踏まえて、やはり実際に使う人の要望を取り込まないとうまくいかないと考えました。そこで、まず本堂氏がある程度アプリの構造を作り、それを実際に現場の人に使ってもらいました。『kintone』ではドラッグ&ドロップで簡単に入力順や入力内容を変更・追加できるので、現場の人のフィードバックを受けながら自社の使いやすい動線でアプリを作成することができました。その際、必要なプラグインは積極的に導入したそうです。

「ホームページから問い合わせを自動で取り込むために、『フォームクリエイター』(現『フォームブリッジ』)は最初から欠かせなかったです。これができなかったら、kintoneを選ばなかったぐらいです」(本堂氏)

問い合わせページで問い合わせの内容を選択すると、内容に応じた設問を表示したり、担当者へkintoneから通知が届くように工夫していました。他にも、一斉配信のメールにフォームのURLを貼り、アンケートの回答やWebセミナーの申し込みにも活用しています。

選択する内容に応じた設問を表示することができます


「Webを介してお客さんから何か情報をいただきたいという時には、毎回フォームブリッジを活用しています。以前は、Webフォームひとつ作り込むのも手間がかかり、なかなか手を出しづらかったのですが、今では簡単に見映えの良いフォームが作れるので、あれもこれも使おうと運用の展開が拡がっています」(本堂氏)


フォームブリッジの導入前は担当者が不在の場合は、設定が難しくシステムの構築が簡単にできないことや、複数の問い合わせ窓口があり管理が煩雑になっていたことがネックになっていました。

ジーベックテクノロジーには世界中から月に100件前後の問い合わせが入ってくるそうですが、フォームブリッジの導入後は、手間なくデータベースへの登録と、シンプルなUIで誰でも簡単に様々なフォームを作成することができるようになりました。さらには、対応漏れがないかアラートを出したり、担当者が休みの時は他の人に割り振るような仕組みを構築して、日々活用しているそうです。

「バリ取りしたい部品を正確に教えていただかないと、正しいアイテムをご紹介できません。図面や写真、無理でしたら手書きの絵でもいいのですが、画像を見た方が話が早いです。視覚的にわかるものが必要なので、画像を添付できるというのはとても便利ですね」(本堂氏)


フォームから簡単に画像を添付することができます


海外にも製品を販売しているので、現地での法規制に対応しているかどうかを判定するため、「該非判定書」を求められることがあります。「該非判定書」のファイルをダウンロードした企業などの情報が欲しかったので、こちらもフォームブリッジから申請できるようにしました。

該非判定書を求めるリクエストフォームです


また、問い合わせは顧客台帳リストの関連レコードに紐付けており、顧客がどれだけアクションを起こしてくれたのかが一目でわかるようにしています。営業がその顧客とコミュニケーションする際、例えばカタログをダウンロードしたことを知っていれば、お礼からスタートできるのはアドバンテージになります。

最後に、今後の展開について伺いました。


現在、開発中なのは各国の代理店を自動返信で紹介する仕組みとのことです。ジーベックテクノロジーには色々な国から自分の国の代理店を紹介して欲しいという問い合わせがきますが、現在は、そのたびにアメリカのお客様でしたらアメリカの代理店はここです、という文面を作って返信しています。ここをフォームブリッジの機能で、入力してもらった国名を元に、対応するテンプレートで自動返信できれば、さらに手間が省けます。

「すでに、フォームブリッジは手放せないものになっています。お客様から電話でお問い合わせをいただいても、部品の形の話が始まったら、Webから問い合わせてください、と誘導しています。そこから入ってくる問い合わせが、1番正確だからです。これからも、kintoneとフォームブリッジを活用し続けると思います」と本堂氏は締めてくれました。