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社会福祉法人 横浜市社会福祉協議会 様

1,500件超えの会員と市民に向けた各種サービスのペーパーレスを実現した福祉業界のトヨクモkintone連携サービス活用事例


横浜市社会福祉協議会は、「誰もが安心して自分らしく暮らせる地域社会をみんなでつくりだす」という理念のもと、地域福祉活動の推進に取り組んでいます。

同協議会は、データの適切な更新・管理、帳票作成業務の効率化、会員情報の保全を目的として、2017年にkintone、PrintCreator、kBackupを導入しました。その後も、さらなる業務改善を目指し、FormBridge、kViewer、kMailerなど、複数のトヨクモkintone連携サービスを導入し、幅広い業務で活用しています。

本記事では、横浜市社会福祉協議会の原田亮様、吉嵜智洋様にお話を伺いました。

各部署に委ねられていたデータの運用・管理の一元化を目指し、kintoneの導入へ

横浜市社会福祉協議会では、あらゆる業務をExcelとWordで行なっており、作成したファイルは社内の共有サーバーに保存していました。しかし、運用・管理が各部署に委ねられていたため、ファイルの形式や更新状況にばらつきが生じ、情報の一貫性が保たれていませんでした。

一部の職員がAccessを活用してファイル運用の効率化を試みたものの、体制変更や異動に伴う引き継ぎが困難で、新たな運用方法は定着しなかったそうです。また、Excelに切り替えた際にファイルが破損し、復旧できないケースもありました。

▲kintone導入前に使用していたExcelの会員名簿。

同じデータにも関わらず、部署によってフォーマットや更新状況が違うこともあった
その結果データの分散が進み、情報の更新漏れや書類の誤送付などの問題が発生。 各部署で対策が議論されていたものの、部署内にとどまり、組織全体での解決には至りませんでした。

「このような課題を抱えていた時、他部署でのサイボウズ製品導入をきっかけにkintoneを知りました。その後、kintone hiveで他社の活用事例に触れ、総務課にICT(情報通信技術)を統括する部署が新設されたことも後押しとなり、本格的に導入を検討し始めました」(原田氏)

kintoneは、同協議会の抱えていた「社内外のデータベースを集約し、一元管理する」というニーズに合致しており、その拡張性の高さから総務課以外の部署でも活用できるイメージを持つことができたと言います。

「ICT関連に精通した職員が少ない組織にとって、ファイルや資料の運用・管理の属人化は深刻な課題です。そのため、『kintoneをベースに構築すれば、スクラッチシステムを導入するよりも安価に素早く業務改善を実現できます』と、上司に提案しました」(原田氏)

これらの提案が受け入れられ、同協議会はkintoneに加え、帳票出力業務の効率化のためにPrintCreatorを、重要な会員情報を安全に保存するためにkBackupを導入することになりました。

1日に1度も印刷しないことも。kintone導入により得られた「ペーパーレス」の副次効果

kintone導入後、部署ごとに管理されていた会員名簿が一元化され、常に最新の情報が共有されるようになりました。

▲kintoneの会員名簿アプリ

また、従来は紙に印刷して押印、回覧していた業務日報もkintoneアプリへ移行。確認工数が削減されただけでなく、ペーパーレス化も実現しました。

▲kintone導入前に使用していた業務日報のフォーマット

▲kintoneの業務日報アプリ

kintone導入の副次効果として、吉嵜氏はペーパーレス化を実感していると話します。

「紙文化が強く根付いている組織でしたが、kintone導入後は、印刷を全くしない日も珍しくなくなりました。kintone導入によるペーパーレス化が進み、用紙代、インク代のコスト削減にも繋がっています」(吉嵜氏)

kintone×PrintCreatorの活用により、1500件超えの会員に向けた帳票作成をミスなく・ワンクリックで実現

kintone導入以前は、Excelで作成したデータをWordに転記する必要があり、多くの工数を要していました。しかし、PrintCreator導入後は、kintone上の情報を活用することで、1,500件以上の会員それぞれのステータスに合わせた帳票をワンクリックで出力できるようになりました
これにより、大幅な工数削減を実現しただけでなく、宛名間違いなどのヒューマンエラーも減少しました。他にも、請求書、契約書、インボイス対応の領収書、ケース記録の発行など、幅広い業務で活用しています。

▲kintoneの契約書作成アプリ。それぞれの雛形が登録されてあり、必要事項はkintone上のレコードから呼び出すことができる

▲PrintCreatorで出力した日常生活自立支援事業契約書。従来は一件ずつWordに手入力で作成していた

PrintCreatorの有用性を実感した同協議会では、さらなる業務改善を進めるべく、段階的に複数のkintoneトヨクモ連携サービスを導入していきます。

「トヨクモkintone連携サービスは、製品間の連携が優れているだけでなく、設定画面が見やすく、継続的なアップデートによって利便性が向上している点も魅力です。そのため、他部署から業務に関する相談を受けた際には、積極的に導入を推奨しています。

実際に、複数のトヨクモ製品を連携させることで、これまで解決できなかった課題にも対応できるようになり、各部署のニーズに合わせた柔軟なシステム構築が可能になりました。業務の効率化だけでなく、職員のやりたいことを実現できる環境が整ってきたことを実感しています」(原田氏)

職員・市民ともに便利な仕組みの構築に成功した、トヨクモkintone連携サービスの活用事例3選

【FormBridge】研修やセミナーの参加申込、社内外のアンケート

同協議会では、研修やセミナーの参加申込、社内外のアンケートの集計作業を効率化するため、FormBridgeを導入しました。これまでは紙やメールで回答を回収していたため、一件ずつExcelに回答を転記し、手作業で集計する必要があったのです。

そこでFormBridgeを導入したところ、参加申込やアンケートはWeb上で回答できるようになり、登録情報は自動的にkintone上へ集約されるようになりました。これにより、集計作業が自動化され、担当者の工数削減に大きく貢献したと言います。

「従来通りの方法を希望される方もいらっしゃるため、紙媒体での対応も継続していますが、研修やセミナーの参加申込、社内外のアンケート、市民からの相談対応、被災地支援の職員派遣の募集など、様々な場面でFormBridgeを活用しています」(原田氏)


▲イベントなどの受付、アンケート、災害ボランティア受付と、幅広い場面で活用している

【kViewer】貸室予約状況の公開、イラストダウンロードサイト

同協議会は、kViewerを貸会議室の予約状況公開や、各種イラスト素材のダウンロードサイトとして活用しています。kViewerを導入したきっかけは、これまで使用していた無料の外部サービスで広告が表示されてしまうことでした。

▲kViewerで公開している貸室予約状況

そこでkViewerを導入したところ、iframe用コードをホームページに埋め込むことで、月間の貸室予約状況を分かりやすく表示できるようになりました。
参考:kViewerのiFrameへの埋め込み方法は以下ページをご参照ください。
https://guide.kintoneapp.com/kviewer/view_iframe/

また、チラシ等に掲載する各種イラスト素材は、これまで紙やWordに貼り付けた状態で配布していたため、活用場面が限られていました。しかし、kViewerを活用することでイラスト素材のダウンロード元をQRコードで共有できるようになり、利便性が向上しました。

▲赤い羽根共同募金のイラスト素材のダウンロードサイト

「kViewerで配布しているイラスト素材は、自治体が作成するチラシなどに活用されています。用途に合わせてWebから自由にダウンロードできるようになり、イラストのサイズや掲載場所の自由度が格段に上がりました。募金活動などを行う際に、当協議会が提供するイラスト素材を使用することで、活動の信頼性を高め、協力を得やすくなる効果も期待できます」(原田氏)

【kMailer】研修やセミナーの申込者への案内メール

FormBridgeを導入して参加申し込みのデジタル化に成功したものの、申込者への案内メールは、取得したメールアドレスに対して個別に送信する必要がありました。この課題を解決するため、同協議会はkMailerを導入。他プラグインの導入も検討しましたが、設定が複雑であることから断念したと言います。

kMailer導入により、kintoneに集約された申込者のアドレス宛に、メールを一斉送信できるようになりました。これにより、従来の手作業で発生していた送信漏れを防止できるだけでなく、担当者の負担も軽減できました。

▲kMailerで作成された災害ボランティア活動予約メールの設定画面

▲公開講座の動画視聴の申込をFormBridgeで受け付け、申込者宛にkMailerで一斉送信したメール

今後も安心・便利な地域社会を目指して、kintone×トヨクモkintone連携サービスを活用していきたい

今後は、Toyokumo kintoneApp認証、FormBridge、kViewer、PrintCreatorを連携させた会員マイページの作成を検討しています。会員向け資料や請求書の発行・郵送業務を電子化し、さらなる効率化を図ることを目標としています。

また、災害時にもkintoneとトヨクモkintone連携サービスを活用できるよう、サイボウズ災害支援チームの協力を得ながらシステム構築を進めています。他都市での活用事例を参考に、災害発生時にも対応できるシステムの構築を目指しているそうです。

「災害発生時は、電話対応の負担が非常に大きくなります。kViewerなどを活用し、市民が必要な情報を自ら入手できる仕組みを構築することで、市民と職員双方にとって、より安心できる環境が実現できると考えています」(原田氏)

記事公開日:2024年10月4日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります