Toyokumo kintoneApp認証でセキュリティの向上と情報の見える化を実現
株式会社ウィルオブ・ワーク 様
株式会社ウィルオブ・ワークは、東証プライム市場に上場するウィルグループの子会社です。メインとなる人材派遣・紹介予定派遣事業、外国人雇用紹介に加え、業務委託・請負運営事業や人材紹介事業、コンサルティング事業など幅広く手掛けています。
ウィルオブ・ワークでは、2021年4月からkintoneを導入。現在は、主に外国人雇用の支援業務や顧客情報の管理、さらに人材派遣紹介などにおいてメインシステムで賄いきれない情報を管理するためのサブシステムとして活用しているとのことです。
外国人雇用における行政の法律や規定は、日進月歩で変化するもの。今回は、kintoneとトヨクモ製品を活用し、著しく変動する状況にタイムリーに対応できるシステムを構築することに成功した株式会社ウィルオブ・ワーク ファクトリーアウトソーシング事業部 相川 一人氏にお話を伺いました。
株式会社ウィルオブ・ワーク ファクトリーアウトソーシング事業部 相川 一人氏
柔軟性の高いシステムを自社で構築し日々の変化に対応
ウィルオブ・ワークでは、以前から外国人雇用に関する情報を管理するシステムの導入を検討していました。しかし、それらに関わる法律や規定、ルールなどは日々変化し続けており、その動きにタイムリーで追いつけるシステムがなかなか見つからなかったそうです。
「探してもちょうどいいシステムがなかなかない。それなら、自社で変化に対応できるシステムを導入した方が効率がいいのではないかと考え、ノーコードでシステム改修ができるkintoneが最適だと判断しました」(相川氏)
kintoneを導入する際はお試し期間にさまざまな機能を使用してみて、問題なく簡単に使えたことから導入に至ったそうですが、1点だけ気になる点があったといいます。
「元々Excelライクと考えていたんです。管理をしていく上で、例えば残日数や経過日数など『期間』を毎日把握することが非常に重要となります。数値の変化においてはExcelのTODAY関数が有効なので、それが使えれば満点でした」(相川氏)
現状ではkintoneやトヨクモ製品には類似した機能がなく、JavaScriptでの外部連携という形で対応を検討することになったようです。できれば単一製品内で作業を完結できることが希望でしたが、最終的には今できる機能、コスト面など総合的に考えてkintoneを採用するに至りました。
「kintoneを導入した効果としては、散らばっていたExcelが統一できた、1つに集約できたということが1番だと思います。集計業務が自動化されたので、全体的な工数削減につながっているのも大きいですね」(相川氏)
トヨクモ製品導入前に管理していたExcel画面
コストをカットしながら「情報の見える化」を実現
ウィルオブ・ワークが管理している外国人雇用の方は派遣スタッフを含め約3,000名、クライアントは600件以上にのぼります。会社とクライアント間で「情報の見える化」ができることが理想ですが、kintoneだけで運用するとなるとクライアント側にもkintoneのライセンスを契約してもらう必要があり、このままでは情報共有は難しいと判断されたそうです。
「kintoneの導入に至った経緯としては、kintoneで情報を管理し、トヨクモのkViewerを連携させて閲覧シートなどを外部のクライアントへ共有することで共通で管理ができる、情報が可視化できるという点が商談にも有効だな、と考えました。現時点では社内システムがそこまで到達していませんが、将来性を考えて導入したという形です」(相川氏)
ウィルオブ・ワークでは、kintoneがお試しの段階で単品での運用は現実的ではないと判断しました。同時に連携サービスを組み合わせて利用することを前提として、Google検索で最適なものを探し始めたといいます。検索をかけていくうちに、トヨクモの『kintone連携サービス』に辿り着き、2022年1月から5月にかけてトヨクモのkintone連携サービスを5製品ご契約いただいています。
「1番大きかったのは、料金体系ですね。ユーザー数単位による請求となるプラグインが多い中、トヨクモさんはドメイン単位の請求でした。当初、今後どれくらい使っていくかという予測が立てられなかったので、コストが読みやすいトヨクモさんの製品が目に留まりました」(相川氏)
社内では他社のプラグインを導入している部署もあり、他社製品もいくつか検討されたそうです。しかし最終的に、ライセンス数に縛りがなく使い勝手がよさそうという理由でトヨクモ製品を導入するに至ったとのことです。
トヨクモ製品を組み合わせて運用することで工数の大幅削減に成功
ウィルオブ・ワークでは、外国人雇用支援を進めるにあたり最適なシステムを見出すことができず、Excel管理になっていました。しかし、Excelではどうしてもデータが散らばってしまい、毎月のデータ集計に時間がかかるだけでなく、データが破損したり、見つけるのに時間がかかったりと使い勝手がよくなかったそうです。
「kintoneを導入したことでデータの一元管理はできるようになったのですが、アプリ間の集計をするのにかなり手間がかかっていました。それが、トヨクモのデータコレクトであれば、アプリ間の集計をExcelライク、つまり関数を使って管理できるということで導入に至りました」(相川氏)
クライアントの案件情報のアプリ、支援を行っている外国人の方の情報を管理するアプリ、社内従業員の情報などを管理するアプリなど複数のアプリケーションがありますが、円滑に情報共有を行うには、それぞれのID番号を連携させる必要があります。そこでデータコレクトを導入したところ、該当月の稼働人数や担当者などさまざまな情報を1ヶ所に集約し、スムーズに集計できるようになったそうです。
「従来のようにExcelベースであった時は、集計ミスという概念がありましたが、データコレクトを使うことでそういったミスが一切なくなりました。現在10個以上のアプリでデータコレクトを活用していますが、それぞれ夜中に定期実行する設定にしています」(相川氏)
従来は手動で行っていたため、どうしても人為的なミスが起こる懸念が常にあったそうです。しかし、データコレクトを活用することで集計ミスがなくなり、同時にデータの重複チェックもできる点が非常に有用だと感じているとのことです。
「データコレクトは、kViewerとワンセットで活用することでかなり業務工数が削減できています。kintoneでデータグラフ化したものをkViewerで表示してダッシュボード化しているので、そこさえ見れば部長、支店長、マネージャーも毎日KPIの数字が確認できるようになっています」(相川氏)
現在はkintoneでデータを管理し、数値をグラフ化したものをkViewerで表示、さらにkViewerのダッシュボードビューで一元管理するといった形で運用しているとのことです。そうすることで、データコレクトで集計している内容が翌日にはダッシュボードに反映され、一目で理解できるようになりました。従来は、稼働状況を管理者同士で確認し合っていましたが、そうした手間が一切なくなったとのことです。ビューの見せ方については、少しカスタマイズを加えることでさらに見やすく表示しているとのことです。
※カスタマイズに関しましては、サポート対象外となります
データコレクトで算出した値をkViewerで情報共有を行っている
「フォームブリッジとkViewerもセットと考えて運用しています。基本的には、kintoneのIDを付与するほどではないけれども、データが間違っていた場合に管理情報の微修正をお願いしたいというケース、ライトユーザーへのニーズ対応ですね。細かい部分を入力してもらう際には、フォームブリッジとkViewerが最適です」(相川氏)
kintoneのデータをバックアップするサービスであるkBackupについては「誤ってデータを削除したので戻したい」という依頼が1件あったのみで、意識して活用しているということはないそうです。しかし、社内の情報を一元管理しておりバックアップが必要になること、さらに今後もkintoneを活用していく上で、より安心感を持って運用していきたいといった思いでご契約いただきました。
プリントクリエイターに関しても現状ではシステム開発途中という形ですが、今後は定期報告など社内資料で活用していきたいとのことです。
kBackupでkintone情報のバックアップを取得している
Toyokumo kintoneApp認証を採用し管理運用の簡略化、セキュリティの向上、登録ミスの削減を実感
ウィルオブ・ワークでは、まず社内における重要データの入力管理、データ閲覧の効率化を目的として連携サービスの導入を検討しました。お試し期間中にToyokumo kintoneApp認証が情報をセキュアに管理できる機能であると知る機会があったため、トヨクモ製品の導入時からToyokumo kintoneApp認証ありきの運用を想定していたそうです。
「Toyokumo kintoneApp認証機能は、kintone情報と同期することができます。既に従業員のメールアドレスが登録されたアプリは作成してあったので、従業員情報は、ボタン1つで同期が可能でした。そうすれば、各自が自由にkViewerを通して自分が必要な情報を閲覧できるので、管理運用上も楽だと考えてToyokumo kintoneApp認証を選びました」(相川氏)
IDとパスワードを使った認証方法の場合、従業員の入退社に合わせてデータを1つずつ消去したり変更したりするという手間が発生します。一方、Toyokumo kintoneApp認証であれば、従業員が退職した際に、管理するアプリ側でメールアドレスを消去するのみで社内データにアクセスできなくなるので、よりセキュアな運用が可能です。
現在、ウィルオブ・ワークでは担当者4名ほどで設定を行っていますが、操作は手順書が必要ないくらい簡単で、運用していく中で困った点も特にないとのことです。
「kViewerのダッシュボード化する前は、アクセスが社内デバイスに限られていたため、外出先からは内容の確認ができませんでした。しかしToyokumo kintoneApp認証を活用してからは、各自スマートフォンからkViewer経由で確認することが可能となりました」(相川氏)
セキュアな運用に加え、社外からの情報確認も手軽になったといいます。現在はkViewerでアクセス可能なダッシュボードビューをいくつか作成し、別途ポータル画面のようになるようkViewer上に作成したビューのURLを掲載して情報共有しているそうです。更新すれば変更された点や新しい情報が一目で分かるので、全社員に該当ページをブックマーク登録するように伝えているとのことです。
ブックマークを依頼しているページです。この画面から自由に複数のビュー情報を閲覧できます。
kViewerには属性機能があり、条件を指定しておくことで特定のユーザーに特定の情報だけを公開することも可能です。現状としては、Toyokumo kintoneApp認証でメールアドレスを登録しているユーザーであれば、全て同様の情報を確認できる形で運用しているそうです。将来的に、従業員やクライアントで情報を共有することになった際は、属性機能を活用していきたいとのことです。
「Toyokumo kintoneApp認証は時間的メリットにすれば1名あたり数分ですが、従業員情報のアプリさえ管理すれば、全てのデータにアクセスできるようになるのが非常に大きな魅力です。データ更新やユーザー管理の簡易化、セキュリティの向上、登録ミスの削減など、トヨクモ製品を使うのであればToyokumo kintoneApp認証を使わない手はないとはっきり言えますね」(相川氏)
最後に、今後の展望について伺いました。
「Toyokumo kintoneApp認証を採用したことで、kViewerやフォームブリッジを閲覧させるユーザーの登録管理が、ほぼ自動で工数をかけずに行えるようになったのは非常に大きいと思います。また、集計に関わる作業が大幅に削減され、これはToyokumo kintoneApp認証に加えてデータコレクト、kViewer、フォームブリッジを契約した効果だと実感しています」(相川氏)
Toyokumo kintoneApp認証を導入し、本来であれば社内で必要となる顧客情報やIDパスワードについての管理業務が不要になったこと、マスタ情報を変更するだけで自動的に内容が反映されること、集計作業にかかっていた時間が削減されたことなどがメリットだと感じているとのことです。
「現在は社内の利用に留まっていますが、今後はトヨクモ製品を通してお客様とともに情報管理を行っていけたら、と思っています。現在は社内におけるToyokumo kintoneApp認証のユーザーは332名ですが、今後は対象をお客様にも広げていく予定で、1,000~1,500名のユーザーを想定しています。kViewerなどを活用してお客様と情報を共有することで、ユーザーの満足度向上につなげていきたいと考えています」(相川氏)
記事公開日:2023年4月10日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります