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株式会社ティア

CRM機能がなく煩雑だった顧客情報管理をkintoneで一元管理。アンケートやスケジュール調整もデジタル化した葬儀会社での活用事例


 株式会社ティアは、名古屋を拠点とした葬儀会社で、葬儀施行や法要の請負、ご遺族のアフターフォローなどを行っています。これまで顧客情報をExcelや基幹システムなど、各部署ごとにバラバラで管理しており、更新や共有に課題がありました。

そこで、データの一元管理や業務のオンライン化を促進するためにkintoneとトヨクモのkintone連携サービスを導入いただきました。

本記事では、社内の課題を解決するDX推進やシステム開発を担う、DX・SX戦略部の田代誠氏よりお話を伺いました。

顧客情報を一元管理できるCRM機能を求め、kintoneを導入

 これまで社内にCRM機能が社内になく、電話や店頭で伺ったお問い合わせ内容を社内で管理・共有する手段がありませんでした。そのため、お客様から直接得た情報を次回以降の接客やサービス提案で全く活用できていないという機会損失が発生していました。

そういった課題を解決し、One to Oneマーケティングを実現するために複数のCRMやスクラッチ開発を検討したものの、費用や開発の手間がネックになるものが多かったそうです。そんななか、無料お試しでkintoneを触ってみたところ、ノーコード・ローコード開発によるユーザビリティの高さに加え、ライセンスも最低5ユーザーから、その後の追加は1ユーザー単位で導入できるため、コストを抑えつつ必要な部署やチームのメンバーに権限を付与といったミニマムな運用が可能という点を評価し、導入に至りました。

導入後はCRMとして活用できるよう、顧客情報の管理が多く発生する電話対応の業務フローに合わせてスクラッチ開発を行いました。顧客情報の入力と整理がkintoneで一元管理できるようになり、共有漏れのトラブルもなくなり、案件情報もスムーズに探せるようになりました。

外部委託せず、社内でアンケート施策を実行するためにFormBridgeをはじめとするトヨクモのkintone連携サービスを導入

 CRMとしてすでに社内業務の改善に寄与していたkintoneでしたが、定常的に発生する業務の改善にも活用されるようになりました。

ティアでは、葬儀を終えた後に郵送でお客様アンケートを実施していました。しかし、郵送アンケートでは開封率を確認できないという問題がありました。さらに、アンケートの項目数が多いこともあり、どこで回答を諦めて離脱してしまったのか把握することができません。さらに、回答率を上げるためにアンケート項目を見直して設問を変更する場合も、紙のアンケートでは修正工数がかかってしまうため、デジタル化が急がれていました。

当初、Webアンケートフォームツールに絞って探していたそうですが、kintoneをすでに導入していたことからFormBridgeも視野に入れ、社内で比較検討が行われました。UIや入力のしやすさはもちろん、フォームの開封率や離脱箇所の確認といったユーザーの動きを後追いできる機能の有無に合わせ、導入費用といった要素を多角的にチェックしたそうです。

FormBridgeは各要素のパフォーマンスが安定していた点、さらにコスト面がリーズナブルという点が大きな決め手となり、トヨクモkintone連携サービスを導入いただきました。

FormBridge×kViewerでイベント参加時のアンケートを即日作成&結果集計

トヨクモのkintone連携サービスを導入したティアでは、さっそくアンケートのデジタル化を実現しました。イベント出展時に配布するアンケートを紙ではなく、デジタルで実施しようとイベント当日の2日前に田代氏が発案し、そのままスピーディーに活用に至りました。

従来の紙のアンケートでは集計作業に1週間かかったり、アンケートの作成を外部の業者に委託する必要があったりと、時間と費用がかかっていました。そこで、田代氏はFormBridgeとkViewerを連携させました。

FormBridgeでアンケートをフォーム化し、回答後はホームページへの遷移を促すような設計にしました。



回答内容はkintoneのマスタに登録され、そのまま自動で集計されます。結果はkViewerで一覧の形で確認できるビューを用意することで、kintoneのライセンスを持っていない社員にもリアルタイムで回答状況を共有できるようになりました。

▲グラフ化され、視覚的にわかりやすい集計結果が確認できる

アンケートのデジタル化により、集計作業は自動化されたため作業時間はゼロになりました。その分、収集できた情報の示唆や分析に割ける時間が増え、次回以降のイベント施策の改善に活かせるようになりました。

「弊社は愛知県を拠点にしており、イベントも名古屋で開催されたものでした。しかし、アンケートを行うことによって自分たちが思っていたよりも年代によって認知度に大きな差があることを定量的なデータで知ることができました。今回はSDGsの取り組みの一環として樹木葬といったお墓の形を提案するためにイベントへ出展しましたが、アンケートの結果も踏まえ、今後はそれらの活動と絡めて幅広い年代で弊社の認知を高められるようなアプローチを検討したいですね」(田代氏)

FormBridge×kViewerルックアップ機能でアンケート回答後に各店舗の口コミ投稿へのスムーズな誘導も実現

 さらにティアでは、各店舗の接客やサービスに対するリアルなフィードバックを獲得するために、Google口コミへの投稿をお客様に依頼していました。

これまではPowerPointでQRコードが掲載されたスライドを作成し、各店舗ごとにスライドを印刷し、それを店頭に掲示することで口コミを投稿してもらう形で運用していました。しかし、投稿のハードルの高さが課題となっていました。

そこで、まずはkintoneで各店舗情報をまとめたマスタアプリを作成しました。

▲店舗とそれに対応したフォームURLを管理

FormBridgeで利用アンケートを店舗ごとに作成し、kViewerのルックアップ機能を用いて店舗ごとのパラメータを裏側でフォームに付与しました。

▲実際に使用されているアンケートフォーム

フォームの回答が完了するとサンクスページが表示されますが、フォームに付与された店舗パラメータに応じてGoogle口コミ投稿用のURLを該当店舗ごとに出し分けする仕組みにしました。

▲サンクスページでGoogle口コミ投稿URLを出し分けている

利用アンケートをデジタルで行った流れでGoogle口コミ投稿も促すようなフローに変更したことで、サービス満足度に関するデータ収集をより確実にできるようになった上に、スムーズな遷移によりGoogle口コミ投稿の心理的ハードルを下げました。

葬儀申込もデジタル化し、フォームの電子署名にも対応

 ティアは、アンケートだけでなく、葬儀受付の申込みもデジタル化しました。
従来の申込みでは紙が使用されていました。しかし、紙では記載内容をkintoneに転記する作業が発生する上に、契約に伴う同意と署名を別の紙で記入いただく必要があったため、管理工数がかかっていました。

そこで、FormBridgeで葬儀申込のフォームを作成しました。申し込み時には、署名の記載が必須のため、フォーム内に電子署名欄を自社でカスタマイズ開発し搭載しました。フォーム上で署名を記載すると、カスタマイズが発動し、署名がkintoneに保存される仕様になっているそうです。
※カスタマイズは、サポート対象外です。

さらにフォームには、個人情報の同意や反社会勢力などについて同意が必須となるようチェックボックスを設けて、署名も手書きで記載しないとフォームからの回答が完了しないような仕組みとしています。

▲FormBridgeのフォーム内に、カスタマイズで電子署名欄を埋め込んでいる


回答が済んだ申込フォームの内容は、kintoneに自動で登録されます。その後、PrintCreatorで出力を行い、お客様へ葬儀申し込み内容を印刷し、その場で控えとして紙でお渡しできるようにしました。

FormBridgeの導入により、申込内容のkintoneへの転記が不要になり、データ管理が楽になりました。さらに、同意と申込を1つのフォーム内で完結できるような設計にしたことで、入力の手間はもちろん、回答の管理工数も削減できます。署名をデータ上で保存でき、お客様情報の検索や確認がオンライン上で容易になったことも大きな変化として回答いただきました。

社内の課題を社内で解決できるように。委託フローをなくし施策の実行ハードルも改善

 田代氏は、kintoneとトヨクモkintone連携サービスを導入したことによる業務の変化として、施策の実行スピードの向上を挙げました。

「これまでイベントアンケートやお客様来店アンケートを実施するためには外部の委託業者へ依頼する必要がありました。しかし、内容の修正が発生すると追加で1〜2往復のやりとりが発生し、どうしても完成まで1〜2週間ほどはかかっていましたし、見積もり以上の費用が発生しがちでした。しかし、FormBridge導入後は社内のやりとりでアンケートが作成できるようになり、半日〜1日でアンケートを用意できるようになりました。また、コスト面でも追加費用がないため都度稟議を通す必要がなく、関係部署とのやり取りと合意のみですぐ実行に移せるようになりました」(田代氏)

アンケート作成のハードルがなくなったことで、これまで年に数回ほどしか実施できなかったアンケートも、今は月に1〜2回といった頻度で実施できるようになったそうです。kintoneとトヨクモkintone連携サービスの活用によって積極的に新しい取り組みにもチャレンジできる土壌が整ったと言えるでしょう。

アンケート以外の情報共有・コミュニケーションにもkintoneとトヨクモkintone連携サービスを活用したい

 田代氏は、今後の展望として「業界柄、どうしても紙とFAXを完全に廃止できない業界ではありますが、できるところから少しずつデジタル化を進めていきたい」と意欲を見せました。

直近ではパートナー企業とのスケジュール調整やパートさんのシフト登録・管理にFormBridgeとkViewer、Toyokumo kintoneApp認証機能の活用を始めたそうです。
FormBridgeでスケジュールを登録し、Toyokumo kintoneApp認証機能でログインすることで、自身の予定をkViewerのカレンダービューで確認できる仕組みです。

処理漏れや日程調整の手間を減らしつつ、セキュリティの高いスケジュール表示を可能にしているため、早くも事務処理の作業効率アップが実現しています。

▲予定登録用のフォーム


▲kViewerからスケジュールの確認が可能

さらに、kMailerの導入も検討中で、現在無料お試しで機能を検証している最中だそうです。

「すでにLINEやDM送付でコミュニケーションをとっていますが、配信属性に応じてメールの本文を出し分けて配信したり、アンケートをメールで送付し、そのまま開封率を追えるような体制にしたいですね。デジタル化のメリットは数字で施策を評価できるようになることです。お客様の行動を数字を通して把握できるようになれば、仮説を立てた上で有効な改善施策を検討しやすくなると考えています。今後もトヨクモkintone連携サービスを活用してアナログな業務フローの改善を促進したいです」(田代氏)

記事公開日:2024年8月13日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります