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社会保険労務士法人 日本経営労務様

面倒なパスワード管理を削減、kintoneでセキュアに情報共有の一元化を実現した

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社会保険労務士法人 日本経営労務様

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サービス

FormBridge

kViewer

業種

学術研究・専門・技術サービス

部署

全社

顧客サービス・サポート

利用用途

社内ポータル

企業間のやりとり

問い合わせ管理



社会保険労務士法人 日本経営労務は労働保険や社会保険手続き、給与計算、労務相談などを行う社会保険労務士法人事務所です。例えば、顧客の企業に入社した人がいたら雇用保険や社会保険に入れたり、退職したら離職票を作り、社会保険から外すといった手続きを行います。現在、従業員は約20名で、横浜本社と東京本店、北海道支店で展開しています。

kintoneは脱Excelを目指して2018年に導入しました。業務は楽になりましたが、顧客との情報共有を効率化すべく、2020年にトヨクモのフォームブリッジkViewerを導入。簡易認証機能を駆使してマイページを作り、顧客企業とのシームレスな情報共有を実現しました。

しかし、パスワード管理の煩雑さや多数のビューを作成する工数が増え、日本経営労務側も顧客側も使いやすいものではありませんでした。そんな中、2022年2月、トヨクモがリリースした次世代型のユーザー管理機能『Toyokumo kintoneApp認証』を早速活用し、素晴らしい情報共有ポータルサイトを構築しました。

今回はkintoneとトヨクモ製品を組み合わせ、顧客とのシームレスな情報共有システムを構築した経緯について、代表の藤井健介氏とITチームリーダーの川村友彦氏にお話を伺いました。


代表 藤井健介氏


ITチームリーダー 川村友彦氏

kintoneを導入し約200個あるExcel管理の手間から開放された


社会保険労務士法人事務所は顧問先の要望に応じて、様々な手続きを行います。当然、顧客に対しては作業報告を行うので、毎月レポートを発行しています。以前まで、手続きの内容やステータスの管理は、顧問先ごとのExcelファイル内で行っていました。約200社の顧問をしているので、約200個のExcelファイルが乱立していたのです。

ファイルを集約するため、次にGoogleスプレッドシートを利用しました。すべての会社の情報を一元管理し、報告書を作成するときには社名でソートして手続き情報を抽出したのです。しかし、スプレッドシートでも、1万行、2万行とデータが増えると動作が重くなってきます。そこで、終わった手続きを予備のスプレッドシートに移動させるといった作業を行っていました。

「もっといいツールはないのか」とシステム販売会社に相談したところ、kintoneを紹介されたそうです。サイボウズ社に話をしてみると、数万レコードは問題なく扱える、ということで導入することになりました。

すべての顧問先の手続き情報をkintoneに入力することで、報告書作成の手間は軽減できたそうです。しかし、月に一度作成する報告書以外にも、顧問先はリアルタイムで手続きの進捗を聞いてくることがあります。例えば、誰かが離職して、その人が早く離職票をくださいと言ってきた場合などです。こういった場合にも、kintoneにすべての情報が入っているので、レコードを検索し、すぐに回答できるようになりました。

「すべてのお客さまの手続きを1つのアプリで管理しています。お客さまの情報を、月に一度集計と印刷を行い、お客さまに送付しています。お客さまからリアルタイムに進捗のお問い合わせがきた場合でも、Excelやスプレッドシートで運用していた時代に比べれば、kintoneを導入することで格段に素早く回答できるようになりました」(川村氏)



顧問先との情報共有をkViewer&フォームブリッジでリアルタイムに実現


大きな業務改善が実現できたことは確かですが、それでも毎月約200社に対して、印刷して送付するという業務が発生していました。このアナログ業務も改善できないかと調査していたところ、見つけたのがトヨクモのkViewerでした。

kViewerを使って、依頼されている手続きの進捗を顧問先に公開してしまおうというのです。簡易認証機能を利用すれば、顧問先ごとにソートした情報を表示できます。

以前の郵送作業は、4人総出でまる1日かかっていましたが、kViewerで情報をリアルタイム共有することで、作業自体が必要なくなったため作業時間がゼロになりました。

kViewerで進んでいる手続きが一覧で確認できるようになりました。


そこで業務改善をさらに進めるべく、顧客から情報をもらう工程もkintoneで行おうと考えました。例えば、顧問先から保険証の発行を依頼されると、入社された人などの情報をもらい、役所に対して手続きを行います。その部分にフォームブリッジを使うことで、顧客に生年月日などを直接入力してもらえば効率的です。

「4択問題が100問くらいある適性診断を提供しており、従来はFAXなどで回答をいただき採点していました。この診断も回答者にフォームで直接入力してしまえば、kintoneにデータが溜まるのですぐに採点できます」(川村氏)

他にも、毎月行っている給与計算のスケジュールや助成金の情報など、顧問先にkViewerで見てもらいたい情報やフォームブリッジで入力してもらいたい情報がたくさんありました。そこで、ニーズに応じて次々とフォームやビューを作成し、それぞれに簡易認証機能を付けたのです。

簡易認証では1つのビューに対して、1000通りのID/パスワードを設定できます。しかしながら、同じ顧問先に見てもらうページで異なるアカウント情報を使い分けるのは面倒です。もちろん、同じIDとパスワードを登録し、少しでも手間を減らせるようできる限りの対応策は講じました。

情報共有という目的は達成できたのですが、新たな課題も生まれました。例えば、顧問先に新入社員が入ったり、誰かが退社すると、そのたびにIDとパスワードの発行や削除という作業が必要になります。既存ユーザーからもパスワードの変更を依頼されます。そのたびに、すべてのビューに対して変更作業を行わなければいけません。

また、担当者によって見て良い情報が異なる点も問題でした。経理担当者は、従業員の個人情報を見る必要はないですし、人事労務担当者が給与の情報を見る必要はありません。そのため、すべての情報を表示するビューにアクセスできるIDとパスワードを誰に渡すか、というのが悩みどころです。

社長や部門を取り仕切る人であれば問題ないのですが、そのような偉い人が社員の入退者情報を送受信する作業をするのか、という壁にぶつかってしまいます。異なる情報を表示するビューを作り、個別にIDとパスワードを設定すれば対応できますが、そうすると1社ごとに複数のビューとID/パスワードを管理する必要があり、工数が爆発的に増えてしまいます。

顧問先も、日々忙しい業務の中、新たなIDとパスワードの管理が増えるというのは避けたいところです。川村氏は、良い解決策が見つからず頭を抱えていたそうです。



『Toyokumo kintoneApp認証』でユーザーごとに見せる情報を管理できるようになった


2022年2月に『Toyokumo kintoneApp認証』がリリースされました。kViewerとフォームブリッジのプレミアムコース以上に提供されている新機能で、メールアドレスで1回認証すれば、自分専用のページに簡単にアクセスできるようになります。

「kViewerでダッシュボードビューを使うためにプロフェッショナルコースを契約していたため、すぐに『Toyokumo kintoneApp認証』を使ってみました。メールアドレスと条件を絞り込む属性を設定し、お客さまごとに見せられる情報は見せて、見せたくない情報は見せない、ということが実現できました」(川村氏)


ダッシュボードビューにkViewerやフォームブリッジのビューを設置したオリジナルの「マイページ」を作り、情報の確認や登録をまとめて行えるようにしています。コーポレートカラーに合わせた、見やすいポータルサイトのようです。

「外部の開発会社やクラウドソーシングを活用して、いろいろカスタマイズしました」と語る川村氏。開発はなかなか大変だったようです。当初は川村氏が画面デザインをしていたのですが、対象となるお客さまが増えるにつれて、デザイナーに発注して現在の画面になったと言います。
※カスタマイズに関しては、弊社のサポート対象外です。

デザインにこだわった顧問先のマイページです。

『Toyokumo kintoneApp認証』を導入したことで、パスワード管理の業務から開放されました。新入社員の登録もユーザー管理アプリに入力して、『Toyokumo kintoneApp認証』と同期するだけなので数分で行えます。従来は簡易認証機能でユーザー情報を登録した後、各ビューやフォームでユーザー情報を入れ替える作業が必要だったため、登録ユーザーが1人増えるだけで、すべてのビューやフォームへの設定に約1時間ほど作業時間がかかっていたそうです。


「表示する情報を管理できるので、1つのダッシュボードビューを用意するだけで一元管理ができるようになりました。URLが1つなので、お客さまに多くのページをブックマークしていただく必要もなく、わからなければ弊社のホームページトップにマイページへのリンクが貼ってあるので、すぐアクセスできます」(川村氏)

月曜日が忙しすぎるという問題も解決されました。日本経営労務は土日祝日を休みとしていますが、その間も仕事をしている顧問先があります。土日に電話がくることもあるそうですが、誰も出られません。そのため、月曜日の朝にメールと電話が殺到するそうです。しかし、月曜日の朝イチで会議が行われるので、午後からはとても忙しい状況が続いていました。

この課題もマイページで情報を共有することで、大幅に改善されました。顧問先は何かあれば、自分でマイページを開き、情報を確認できるようになったのです。

顧問先が依頼したいことがあれば、マイページのフォームブリッジに入力します。


ユニークなのがダッシュボードに2つのフォームを埋め込んでいる点です。コミュニケーションする中で、次はどちらが返信すべきかわからなくなる、というのはあるあるです。そのため、マイページでは日本経営労務側と顧問先側のどちらがボールを持っているか明確にわかるようにしているのです。

実は職員用のマイページも用意されています。フォームブリッジに入力された会話を確認し、返信が行えます。メールだと属人化するところですが、kintoneにやりとりの履歴が溜まるので、担当者が長期休暇などでいない場合でも他の人が引き継げます。

職員向けのマイページです。メッセージのボールがどちらにあるのかが一目でわかります。


また、仕事を進める上での「緊張感」という効果も生まれました。

「従来は当社の従業員側が手続きを忘れたり、ミスが発生したりすることが悩みでした。仕事に慣れると緊張感がなくなってきます。マイページで24時間365日、進捗を公開することで、常にお客さまが見ていると感じ、緊張感を持つようになったのです。」(藤井氏)

最後に、今後の展開について伺いました。


「工数を削減したいというのはあくまでうちのニーズです。そのため、提案したお客さまに、『これ以上、IDとパスワードが増えると管理に困る』、と言われることもありました。そんな時に『Toyokumo kintoneApp認証』を利用することで、こちらの管理が楽になることはもちろんですが、お客さま側も複数のIDとパスワードの管理が不要となり、毎回入力する手間を省くことができました。お客さまが日本経営労務のツールを使えば生産性が上がると言ってもらえるサービスを目指していきます。」(川村氏)

「社労士事務所もお客さまから選ばれる側に立たなければいけません。同じことをやっていれば、安い方が当然いいわけです。そこで我々が目指しているのは、『DX社労士』です。Toyokumo kintoneApp認証の導入によって、ペーパーレスやキャッシュレス化、情報の可視化・共有化を目指してきた成果が出て、売上も利益も上がり、労働時間は減りました。そういう所を顧問先さんにも発信していきたいと思っています。」と藤井氏は締めてくれました。