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株式会社日本エイジェント様

年間300時間削減!〜現場主導のDX推進で賃貸に関する各種手続きを効率化した不動産業での活用事例~


株式会社日本エイジェント様は、不動産を軸に、賃貸(仲介・管理)・売買・テナント事業、不動産投資・相続のコンサルティング業務のほか、顧客管理システムの開発など、住まいに関するさまざまなサービスを提供しています。
以前は、解約の申込や契約書管理など、多くの作業を書類にて対応しており、業務体制に課題を感じていました。これらの課題を解消するため、2020年7月頃からkintoneやトヨクモkintone連携サービスを用いた業務改善に着手。現在でも、業務効率化の取り組みを継続的に行っています。

この記事では、株式会社日本エイジェント 経営企画部の戸田 昭仁氏、梶原 裕子氏に、年間300時間以上の業務効率化に成功したトヨクモkintone連携サービスの活用事例を中心に、お話を伺いました。

紙運用による業務の非効率化を解消するためにkintoneを導入

kintoneの導入以前、日本エイジェントでは、契約者の解約申込やその実施に伴う書類作成を紙で実施。それによって様々な課題が発生していました。
その中でも、大きな問題となっていたのが郵送の際に発生する切手代。解約の申し込みに必要な解約通知書を契約者が持ち合わせていなかった場合、書類を郵送する必要があり、切手代は同社が負担していました。

また、物件情報や契約者の情報など、各種情報を紙で管理していたことも大きな課題に。解約手続きでは、リフォーム担当への情報共有や、退室時にかかった費用をまとめた退室明細書の作成などを行います。その際、契約情報が必要になりますが、同社では、これらの作業を全て紙で実施。その結果、契約情報を手探りで探す手間が発生したり、別部署への書類送付に社内便を活用する必要が生じたりするなど、対応完了までに時間がかかっていました。また、データの保存についても書類をスキャナーで都度読み込み保存する手法をとっていたため、作業全般が非効率な状態でした。

ほかにも、契約者が必要書類自体を紛失してしまっていたり、手書きで記載されている文字が正確に読み取れなかったりなど、細かな課題も散見していたとのこと。

▲kintone導入以前に情報登録で活用していたシステム

▲登録した情報をもとに複写で出力した解約通知書

▲退室が多い1-3月には書類の山ができることも

▲進捗に応じ、社内便を活用して1-2日で対応

これらの課題を解決するために、業務効率化ツールを検討することに。同社では、もともと古い基幹システムを自社開発していましたが、社内で運用・管理が負担になっていたため、誰でも簡単に構築・運用できる仕組みを作りたいと考えていたそうです。
そこで選択肢にあがったのがkintone。検討の過程で、戸田氏がサイボウズの松山オフィスへと訪問し、担当者から話を聞く中で使用方法の確認や導入イメージを具体的に持てたことで、導入につながったそうです。

トヨクモkintone連携サービスの導入でkintoneを活用した業務効率化の効果を最大化

誰でも簡単に構築・運用できる仕組みを求めてkintoneを導入した同社ですが、連携サービスやプラグインも同時に導入することで業務効率化の効果を最大化したいと考えていました。
その具体的な例が解約手続きです。一連のフローを電子化することにより、切手分の費用や対応完了までの時間は改善されますが、解約の意思を申し出る契約者はkintoneアカウントを持っていないと想定されます。

また、kintoneによる業務のデジタル化を行った後も、オーナー様に送付する書類の作成など、社外の方が関わる業務で紙の書類を0にすることは困難です。その一方、書類を手作業で作成することは手間がかかるため、kintoneの情報を参照し、見やすい形式で帳票出力できるツールも必要でした。
他にも、物件情報について、お客様に記入いただいた物件名が正式名称ではなかったり、似たような物件名を間違えて入力されていたりしたことで、修正作業が頻発していました。
これらの課題を解決するために導入されたのがトヨクモkintone連携サービスのFormBridgePrintCreatorkViewerです。同社では、3製品の機能性はもちろん、社内で活用するイメージが持てたことで導入に至りました。
トヨクモkintone連携サービス導入の決め手は、自社で活用するイメージが持てたことと、サイボウズ社の関連会社であるという安心感だと戸田氏は説明します。

不動産業界での導入事例が多く、自社で活用するイメージが持てたことで導入に前向きな気持ちを持つことができました。例えば、サイボウズのセミナー申込画面にFormBridgeが活用されていたり、検索したら「kintoneapp BLOG」をはじめとする活用ノウハウ、事例などが出てきたりしました。ツールの機能だけではなく、「導入後どのように活用して、どういった効果が期待できそうか」という具体的なイメージを持てたことが、大きな決め手になったと思います。

そして、最も大きな理由としては、運営会社であるトヨクモが信頼できること。
世に普及されていないサービスだと、活用方法に関する情報も少ないですし、突然サービス終了となっても困ります。機能性が高いことはもちろん、外部からも評価されている安心なサービスということで、導入を決定しました。(戸田氏)
参考ページ:トヨクモkintone連携サービス活用事例

合計で年間300時間の工数の削減に成功したトヨクモkintone連携サービスの活用例3選

ーWEBの解約通知(FormBridge、kViewer、PrintCreator)

同社において大きな課題となっていた解約手続きについて、FormBridgeとkViewerを活用して電子化を図りました。
まず、解約通知書を郵送する手間を省くため、FormBridge「WEB解約通知フォーム」を作成。契約種類(個人・法人)や契約者情報(氏名、メールアドレス、電話番号など)、物件情報(物件名、住所)といった情報は全てフォーム上で入力できるよう設定しました。

▲FormBridgeで作成したWEB解約通知フォーム

実際にフォーム入力する際、物件登録の欄ではkViewerルックアップ機能を使用。kintoneに登録されている物件情報をフォーム上で参照して入力することができるので、記載ミスを減らすことができます。

▲WEB解約通知フォーム上で、kViewerルックアップ機能で物件名を参照

フォームの入力直後、解約手続きの担当部署に通知が飛ぶため、紙での対応の際に発生していたようなタイムラグはなく、すぐに手続きを開始することが可能になりました。
また、フォームに入力された情報はkViewerとkintoneにそれぞれ反映。お客様はkViewerのMyページビューから、社内メンバーはkintoneのアプリから確認できます。

▲お客様はkViewerのMyページビューからで解約通知フォームに入力した内容を確認可能

▲社内メンバーはkintoneのアプリからフォームの入力情報を確認可能

さらにPrintCreatorでフォーマットを用意し、kintoneの情報も参照しつつ、リフォームの作業内容をまとめた書類や、退室明細書などの書類をスムーズに出力可能になりました。

▲kintoneの情報を参照して書類を作成している画面

▲PrintCreatorで作成された書類

この解約手続きを中心とした業務改善により、合計で年間300時間もの作業工数が削減されました。具体的な効果としては、年間2,300件発生していた解約受付や退室証明書作成などの業務を全てWEBに移行。書類で管理していたデータをkintone上で管理できるようになったことで、書類を探すためにかかっていた時間が80%以上削減されました。また、退去後のリフォームの精算処理の工数も年間で60%以上削減できたそうです。

費用面でも効果が出ており、書類の郵送にかかっていた費用を年間17万円削減することに成功しました。

ー駐車場のWEB申込(FormBridge、kViewer)

賃貸の契約締結では、駐車場のみ契約されるケースもあります。お部屋のWEB申込のフォームはありましたが、駐車場のみのものがこれまではなく、紙の申込書に記入してもらっていました。そこで駐車場のみ申込についてもWEB上で完結できるよう、FormBridgeとkViewerで仕組みを構築し、今後活用予定です。

まずは、申込したい駐車場区画などの情報をFormBridgeで作った申込フォームに会社側で登録します。フォームに入力された情報はkViewerとkintoneにそれぞれ反映されますので、お客様にはkViewerのMyページのURLをお送りし、お客様側で使用開始日や台数、車種などの情報を追加入力します。その際には、勤務先や年収といった、お客様の個人情報も合わせて登録します。

▲FormBridgeで作成した駐車場WEB申込フォーム

▲kViewerのMyページビューに駐車場WEB申込フォームの入力内容を反映

お客様がフォームに入力した内容は、kViewerとkintoneにそれぞれ反映されますので、その情報をもとに契約手続きを完了できるようになりました。申し込みの一連の作業が、すべてフォーム上で完結するようになったことで、今後お客様側の手続きが楽になっていく予定です。また、社内的にも管理がしやすくなり作業効率が向上したり、ペーパーレス化の促進にも繋がると思われます。

ー採用のマイページの作成(FormBridge)

トヨクモkintone連携サービスは、バックオフィスの業務にも活用しているそうです。採用した従業員にフォーム入力を依頼し、メンバーごとにマイページを作成したことで、健康保険証や給与の振込口座など、必要な個人情報の登録、管理が円滑にできるようになりました。

▲FormBridgeで作成した入社情報の登録フォーム

社内外で幅広くトヨクモkintone連携サービスを活用し、業務効率化で大きな成果を得ることができました。その具体的な内容について、梶原氏はこう伝えます。

以前まではアナログで進めていた作業を、WEB上で行うことができるようになったおかげで、作業効率を改善できましたし、ヒューマンエラーを防ぐことができるようになり、現場からも好評の声が届いています。また、書類の作成や管理が紙からWEBへ移行したことによって、リモートワークをしている社員が自宅でも業務対応ができるように。さらにお客様についても、たとえば一人暮らしをしている学生さんの手続きを親御さんが対応するケースが以前からありました。導入前は、わざわざ書類を親御さんまで送付し書類に記入いただく。それを返送いただくという一連の手間がかかっていたのですが、今は手続き用のURLをメールで送るだけで完結します。デジタル化により、物理的な距離によって発生していた工数を削減できました。(梶原氏)

kintoneとトヨクモkintone連携サービスの活用で、更なる業務効率化を目指す

日本エイジェントはkintoneとトヨクモkintone連携サービスそれぞれを活用することで、大幅な業務環境の改善を実現しました。
最後に、トヨクモkintone連携サービスの魅力や今後の展望について話してくださいました。

「トヨクモkintone連携サービスを導入することの大きなメリットは、それぞれの製品を連携させることで、業務フロー全体で効率化やコスト削減などの効果を得られる点。それに合わせて、そこまで専門知識がない人であっても、kintoneやトヨクモkintone連携サービスは扱いやすく設計されています。自社にとって必要なシステムを選んで構築できるため、これからDX人材を育てていく上でも有効なツールになると感じています。また、今まであった専用のプログラム言語で構築したシステムよりも簡単で、かつ今まで以上のことが実現できます。今後は、まだ社内に残っている古いシステムを全部kintoneに移行し、kViewerのダッシュボードビューを活用しながら見やすさにこだわったビューなどを作成していきたいと考えています。」(戸田氏)

「私自身、もともとは総務部に所属しており、システム面に関する知識を十分に持っていたとは言えません。ですが、kintoneやトヨクモkintone連携サービスそれぞれを活用する中で、特別困ったという瞬間はこれまでありません。事務畑出身の人間でも、使いこなせるものという1つの実例が作れたなと。今後は社内でも連携を取りながら、会社全体の業務改善を実現していこうと思います。」(梶原氏)

記事公開日:2024年10月17日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります