毎月120枚の印刷工数とコストをkintoneとプリントクリエイターで削減
株式会社ミヨシテック様
株式会社ミヨシテックは、大阪寝屋川市に本社を構える設備工事会社です。寝屋川市を中心に5拠点を展開し、大阪ガスの特約店として空調工事や住設工事、ガス工事などを手がけています。現在は、水道や電気、リフォームといった他の分野も含めて、設備工事全般の業務を行っています。設立は昭和47年で、ちょうど2022年に50周年を迎えました。
2019年、以前から使っていたオンプレミスの顧客管理システムのサーバーが更新期限を迎え、それならばとクラウド化することを決め、kintoneを導入しました。
設備工事に関する業務では多くの紙を使っており、すぐにすべての情報をデジタル化できる状況ではありません。そこで、kintoneを活用しつつ、既存のフローを大きく見直し、業務を遂行できるようにプリントクリエイターを導入していただきました。
今回は、kintone×プリントクリエイターで、紙を扱う業務をデジタル化し、業務改善を実現した経緯と効果について、ミヨシテックの代表取締役社長 永谷顕氏と藤原かほり氏、藤原真子氏にお話を伺いました。
株式会社ミヨシテック 代表取締役社長 永谷顕氏、藤原真子氏、藤原かほり氏
サーバーからクラウドに移行すべくkintoneとプリントクリエイターを導入
ミヨシテックでは自社でサーバーを用意し、顧客管理システムを利用していたそうです。しかし、ライセンス数が5つと限られていたので、誰かが使っていると6人目がシステムに入れず、データの入力がしづらいという課題がありました。そんな中、サーバーを更新する期限が迫ってきました。
「永谷社長は、以前から顧客管理システムはクラウド化しよう、どこからでも仕事できるのが最近の常識だよね、と言っていました。私はクラウドの良さが実感できていなかったのですが、基幹システムの導入業者からkintoneを紹介してもらいました」(藤原かほり氏)
最終的に勧められたkintoneを導入することになりました。その際、業務の中で利用していた紙の台帳の視覚的な管理は残そうと考えていたそうです。そこで、情報を紙に印刷することを伝えると、プラグインが必要になるとアドバイスを受けました。
「kintoneだけだと、この程度しか印刷できません、と画面印刷を見せてもらいました。この状態では台帳としては成立しないので相談したところ、『プリントクリエイター』を勧められました」(藤原かほり氏)
1つ目に設定する最初のアプリの設定は、教えてもらいながらチャレンジしました。設定では普段使っている用紙を背景にして、kintone内のデータが表示されるのを見て、これだったら自分たちでもできると感じたそうです。
その後プリントクリエイターを触っているうちに、直感的に操作をマスターしていきました。最初は表示するエレメント(テキストを表示する四角の枠)を配置する際も、位置がずれてしまいましたが、自身で操作する中ですぐに数値を入力して調整できる機能を見つけ、縦横をピタッと合わせられるようになったそうです。
「複数のエレメントを選択して、左の余白を合わせて、次に縦余白を合わせて整列できるのはすごく助かっていて、今やプリントクリエイターを手放せません」(藤原かほり氏)
実際に使っている支払い明細の帳票です。
当初は台帳の中身を管理する予定でしたが、図面の表紙も簡単に帳票化できることがわかりました。表紙には顧客の住所やお名前を手書きしていたのですが、プリントクリエイターで出力することにしました。一番のメリットはQRコードで工事管理アプリへの連携が良くなったことです。手書きの手間も減り、見た目もよくなりました。
ビルトイン台帳の表紙です。QRコードを活用し工事管理アプリへ連携可能になりました。
続いて出庫伝票をkintoneアプリ化しました。従来は紙のチェックシートに手書きしていたのですが、iPadで直接入力できるようにしたのです。その帳票を出力する際にプリントクリエイターを利用しました。
「複数枚の帳票出力など、うまくいかないな、どうすればいいかな、とお互いに相談し合って解決していきました。」(藤原真子氏)
必要に応じて帳票は増えていき、今では30種類ほどになっているそうです。プリントクリエイターを導入することで、情報をExcelに転記するという作業がなくなったことも大きなメリットです。コピー&ペーストのミスで印刷に失敗し、紙を無駄にすることもなくなりました。kintone上からプリントクリエイターで直接印刷できるので、業務効率も格段にアップしました。
「最近、日報アプリを運用し始めました。会社では外国人実習生を雇用しているのですが、その日報を仲介会社さんに提出する必要があります。これまでは1日一人あたり3枚の紙に手書きしていたのです。PDFで提出してもよいのですが、紙で書いたものをスキャンするのは手間がかかります。そこで、kintoneで日報を直接入力するようにしました」(藤原真子氏)
導入前は、紙に手書きで登録していました。
導入後kintone上の情報を簡単に出力できるようになりました。
提出する用紙には書式があるので、プリントクリエイターで体裁を整えてPDFに出力し、送信できるようになりました。外国人実習生は2人いるそうで、1日3枚×20日×2人で、毎月約120枚の印刷工数とコストをカットすることができたのです。
プリントクリエイターによるペーパーレス化は他の業務でも進んでいます。社内研修を実施した後は感想文を提出するのですが、これまでは紙に手書きしていたそうです。しかし、永谷氏からPDFで提出するように指示が出たため、kintoneで感想を入力してもらうアプリを作成しました。そのままkintoneで長文を読むのはつらいので、プリントクリエイターで表題を付け、見やすく感想文が表示されるように設定したそうです。
「社内で何かを発表する際も、プリントクリエイターを使っています。kintoneの画面を表示すると見にくいので、体裁を整えて見せるようにしています。PDFは各自に貸与されているiPadで閲覧でき、他の人から寄せられた意見などは、PDF編集アプリでコメントとして残せます。そのファイルは社内で使っているクラウドストレージに保存し、後で見返すことができるようにしています」(藤原かほり氏)
会議資料を紙で配付していると、大抵は終了後に捨ててしまいますが、クラウドに保存していれば、後で利活用できるのがメリットと言えます。プリントクリエイターを文書の書式に合わせるのではなく、可読性を高めるために使われているのはユニークな活用法です。
問い合わせの受付からバックアップまで、トヨクモ製品をフル活用
ミヨシテックでは、他のトヨクモ製品も活用していただいています。『フォームブリッジ』は、会社のホームページからの問い合わせフォームとして使っています。ホームページの制作会社に作ってもらうことも考えたそうですが、自分たちで管理したいというニーズがありフォームブリッジを導入していただきました。
「問い合わせ内容がkintoneのレコードとして登録されるので、スムーズに対応できます。フォームブリッジを使うことで、制作会社さんに微調整をお願いしなくてもよいので、コスト的にもとても助かっています」(藤原かほり氏)
ミヨシテックのHP問い合わせフォームは、フォームブリッジを活用しています。
『kViewer』は今のところ社内アンケートの管理などに使っています。今後は職人や子会社とやり取りする際に、kintoneアカウントを付与していない外部の向けに、フォームブリッジと組み合わせてデータの入力から閲覧をしてもらうような使い方も考えているそうです。
そのほかにも『kBackup』も利用していただいています。導入当初にアドバイスを受けていたコンサルタントから、バックアップはこまめに取るようにと言われたため、導入していただきました。「会社の基幹になる部分のバックアップは絶対に必要です。なくなったら、作り直すのが無理だよね、というところはバックアップしていこうと思っています」(藤原かほり氏)
最後に、今後の展望について伺いました。
「現状kintoneでの運用は充実しているので、あとは社内で使いこなせる人を増やそうと考えています。これまでは、管理者不明の帳票が増殖してしまうのを回避するために、メンバーを限定し使っていたのですが、これからはみんなに便利さをわかってもらってプリントクリエイターを広く使ってもらい、業務効率を上げていきたいですね」(藤原かほり氏)
「まだ紙じゃないといけないという固定概念が残っている業務があります。そういったところをkintone化していければなと思っています」(藤原真子氏)
「本当に色々と使えるようになってきています。トヨクモ製品はkintoneのアカウントを持っていない人たちから情報を集めるのにとても有効です。データをすぐに見られるので、今後も活用していきます。しっかりとみんなをフォローしてIT化を進めていきたいと考えています」と永谷氏は締めてくれました。