PrintCreatorで作業時間が半分以下に!帳票作成の効率アップに成功したkintone x トヨクモkintone連携サービス活用事例
株式会社ミライコミュニケーションネットワーク
株式会社ミライコミュニケーションネットワークは、データセンター事業をはじめ、インターネットサービスプロバイダ、ドメイン取得・管理、電子決済等代行業など、私たちの生活に欠かせないITシステムやアプリケーションの土台となるITインフラを提供している企業です。
同社ではこれまで多くの業務を紙やExcel・Wordで行なっており、データも一件ずつ手作業で入力していました。その業務の非効率さに課題を感じ、kintoneを導入。その後、「kintoneに移行したデータをもとに帳票をスムーズに出力したい」というニーズが生まれ、トヨクモkintone連携サービスを導入いただきました。これをきっかけに、より一層kintoneを活用いただき、データの入力ミスや業務時間の削減、さらにはペーパーレス、脱ハンコにも繋がっています。
本記事では、株式会社ミライコミュニケーションネットワーク 管理部の服部 百華氏、佐藤 修三氏よりお話を伺いました。
「諦めて受け入れるしかなかった」煩雑な業務を効率化すべく、kintoneの導入へ
ミライコミュニケーションネットワーク社では当初、あらゆる業務がExcel/Wordと紙の書類を用いて行われていました。
お客様へお送りする登録確認書(各サービスの契約書)や障害報告書などの作成も例に漏れず、情報の手入力・転記、印刷、ラベルの貼付といった一連の作業に20分以上もの時間がかかるケースがあったほか、入力ミスや情報の修正忘れなども頻繁に発生してしまっていたそうです。
「“いかに間違えずに進めるか” にばかり注力する生産性の低い作業にモヤモヤとしており、新入社員に業務を教える際も申し訳なく思っていました。しかし当時はノーコードツールの存在を知らなかったため、Excelの関数やロック機能を使うこと以外に業務を効率化する術がありませんでした。当時のことを同僚に聞いたところ、『業務効率化を諦めていた』と話していました」(服部氏)
こうした状況を受け、同社の社長が他企業の経営者に現場の悩みを相談。kintoneを薦められ、2019年に導入に踏み切りました。
「顧客マスタ」を中心に業務をデジタル化。ヒューマンエラーが減り業務時間の短縮に成功
まずは、既存のデータを移行して顧客マスタを作成。その後、関連する業務をアプリで紐づける流れでkintoneの運用を開始しました。
最初に作成したのは電話メモアプリです。これまで担当者が紙で取っていたメモをデータ化するシンプルな機能で、カスタマイズ等も不要なため、kintone初心者でも容易に作成できたと言います。
そうして少しずつ業務のkintone化を進めていく中、2020年にオンライン開催された「kintone hive」に参加。他社の活用事例を聞くことで、自社でもっとkintoneを活用できるイメージが湧いたそうです。
kintoneが徐々に社内浸透したことも踏まえ、より一層の業務効率化を目的に、自動計算機能によって1箇所に情報を入力すれば対応する3箇所に情報が自動入力される仕組みを構築。業務に伴う転記や手入力が減ったことでミスが減り、業務時間も短縮できたことで、kintoneの利便性を強く実感したと言います。
現在では、顧客マスタと電話メモを関連レコードで紐づけることで、問い合わせ履歴を一目で確認できるようになりました。
▲電話メモアプリ。問い合わせがあった時間を入力すると自動計算機能によって時間枠が割り出され、クロス集計表で問い合わせが多い時間帯を可視化できるようになっている
ワンクリックで帳票が完成するPrintCreatorを導入し、お客様にお渡しする帳票作成をストレスフリーに
同社では、kintone導入後もお客様にお渡しする書類の出力に課題を抱えていました。kintoneからデータを取得し、Excelの所定のセルにコピー&ペースト、さらにWordに差し込んで書式を整える、という煩雑な作業が発生していました。
「契約書や見積書といったお客様にお渡しする書類を作成する際には、kintone上のデータをもとに各書類のフォーマットに手入力する作業が必要でした。特に営業部ではフォーマットが統一されておらず、各担当者がフォーマットの作成から始める非効率的な状況でした」(佐藤氏)
この課題を解決するべく帳票出力サービスを探し始め、見つけたのがPrintCreatorだったそうです。特に導入の決め手となったのは「両面印刷に対応していること」と「誰でも簡単に使うことができる操作性」でした。担当者しか使えないような複雑なシステムでは、kintoneを導入した意味である「全社的な業務改善」を実現することが難しいためです。
「子会社が既にPrintCreatorを導入しており、実際の操作画面や出力イメージを見せてもらうことができたので、すぐに利用シーンがイメージできました。今までと同じ書類を出力したい、という自社の希望にも合致しており、安心して導入を決断できました」(服部氏)
既にkintoneが全社的に浸透していたことも相まって、PrintCreatorはスムーズに受け入れられたそうです。操作が直感的で分かりやすく、マニュアルを見なくても基本的な使い方を理解できた点も、活用が広まったポイントだと服部氏は話されました。
現在では、35種のアプリ(計150種のフォーマット)からの帳票出力がPrintCreatorで行われ、お客様にご提出する書類の9割ほどが、PrintCreatorを活用して出力されているそうです。
これまで実感してきたPrintCreatorの魅力について、佐藤氏・服部氏は以下のように話します。
「PrintCreatorでは、入力する文字数に影響を受けてフォーマットが崩れてしまうことがありません。フォーマットが崩れるたびに整え直す作業から解放され、心理的な負担が軽減されました」(佐藤氏)
「操作方法が分からずマニュアルを見ようと思ったことがないほど、直感的に操作できる分かりやすいツールです。ワンクリックで必要な情報が入力されて帳票が出来上がり、手入力や計算の手間を省くことができます。これは、多くの事務担当者にとっても非常に魅力的なのではないでしょうか。より快適に帳票作成をするためには、帳票の下地となる元データを失くさないようにきちんと保存しておくことがポイントだと思います」(服部氏)
▲同社では、PrintCreatorで使用する帳票の元データの管理もkintoneアプリで行っている
kintone×PrintCreatorを活用し、様々な帳票作成における作業時間・ミスの削減に成功!活用例4選をご紹介
kintone×PrintCreatorの活用によって業務効率を改善し、さまざまな成果を挙げているミライコミュニケーションネットワーク社。今回は、同社におけるkintone×PrintCreatorの具体的な活用事例を4つお聞きしました。
【活用例1】作業時間が30分から13分に短縮。手入力や手書きの書類からの脱却へ
【利用前】
お客様から発注いただいたドメインの取得作業は、これまで以下の流れで業務が進められており、ダブルチェックを含めると1件あたり30分以上の時間がかかっていました。
1.取得したドメイン情報をもとに、Excelに情報(13項目)を手入力する
2.1で入力した情報をWordに差し込み、登録確認書を印刷する
3.専用のプリンターで宛名ラベルを印刷し、貼り付け、登録確認書を郵送する
4.お客様への取得完了メールを手入力で作成し、送信する
5.アカウントセンターへ売上を入力する
6.売上申告書を手書きで作成、押印して提出する
▲kintone×PrintCreator導入前に使用していたExcel/Wordの画面。データ量が大きく、クラッシュ、フリーズすることもしばしば
▲宛名ラベルは、毎回プリンタにラベルを差し込んで印刷していた。1カットずつ印刷していたため、プリンタ内でラベルがめくれて詰まってしまう事態が頻発していた
【利用後】
そこで、kintone×PrintCreatorを導入して業務フローを以下のように変更したところ、作業時間はダブルチェックを含めて13分にまで短縮されました。
1.取得したドメイン情報をもとに、kintoneアプリに情報(3項目)を入力
(他項目の入力、取得完了メールの本文生成は自動で行われる)
2.1で入力された情報が登録確認書に自動で反映され、PrintCreatorにて出力
3.1で生成された文章をコピー&ペーストし、取得完了メールを送信
4.アカウントセンターへ売上を入力する
5.売上申告アプリで売上申告(ほぼ自動作成される)を提出
データの破損や入力ミス、ラベル用紙の詰まりなどのトラブルによるストレス、お客様に誤った情報をお送りしてしまうリスクから解放されたことにより、社員の心理的な負担も軽減されました。
▲登録確認書作成アプリ。必要事項を入力してレコードを保存すると、金額が自動計算され、パスワードの読み仮名とお知らせメールの文章などが自動生成される
▲PrintCreatorによって出力された登録確認書
【活用例2】手書きの書類・捺印を廃止し、工事業者・社員双方の負担を軽減
同社が運営するデータセンターでは、メンテナンスや点検を行う工事業者との入局届や報告書のやりとりを、手書きの書類と押印によって行っていました。
これらの業務でも、kintone×PrintCreatorの活用がスタート。工事業者はゲストスペースに入り、アプリ上のステータスを変更するだけで入局届と報告書のやりとりができるようになりました。また、メンテナンス後の検収作業もkintone上でチェックするだけで完了でき、書類を受け取るフローを省くこともできました。
さらに、工事業者によって登録されたkintone上の情報をサイネージに反映することで、データセンターへの来館者にメンテナンスの予定を一目で確認いただけるようになりました。
▲データセンターのメンテナンスに関連したkintoneとPrintCreatorの構成
▲工事業者の方が入力するアプリ上の画面。レコード登録後、入局届がPrintCreatorによって出力される
【活用例3】出力する帳票の自動判定によって、フォーマットの選択に悩む時間を削減
PrintCreatorで帳票を出力するにあたって、「テーブル行数条件分岐(※)」を活用すれば、テーブルの行数に応じた適切な書類フォーマットが自動選択されます。
同社でもこの機能によって、テーブルの行数が多い場合にフォーマットが崩れてしまうことによる再印刷の手間や、「どのフォーマットが適切か」と悩む時間が削減されました。
※プレミアムコース以上でご利用いただけます。設定方法や利用例は以下の記事をご参照ください。
https://guide.kintoneapp.com/printcreator/what_table-branch/
▲請求書作成アプリの画面。入力をすると行数をSUMでカウントし、行数+ラジオボタン(角印ありなし)によってどの帳票を出力するか計算されるように設定
▲PrintCreatorのテーブル行数条件分岐の設定画面
【活用例4】QRコード自動生成機能で該当レコードへ一発でアクセス。顧客データの検索の手間を省くことに成功
同社では、お客様からのご返送を必要とする書類のやりとりにおいてもkintone×PrintCreatorを活用しています。
PrintCreatorのQRコード自動生成機能を使い、出力した帳票にkintoneの該当レコードのQRコードを埋め込むことによって、返送いただいた際にQRコードを読み込むだけで該当レコードにアクセスできるようになりました。
返送いただいた書類を受け取り、kintoneを開いてアプリを探し、該当レコードを検索する……という一連の作業にかかる時間と手間を省くことができ、顧客データのステータス管理が円滑に行えるようになったと言います。
▲QRコード付きの帳票
kintone×kViewerで障害情報を迅速かつ正確に共有。今後もトヨクモkintone連携サービスを活用しながら、業務改善を進めていきたい
現在300以上のアプリを作成し、顧客管理を中心に、社内のあらゆる業務をkintoneで管理されているミライコミュニケーションネットワーク社。
PrintCreatorとの連携によって帳票作成に伴うミスが減り、業務時間を短縮できたことに加え、組織風土の変化も感じていると言います。
「kintoneの活用によってこれまで諦めて受け入れていた非効率な業務の改善が進んだことで、組織内に “課題を仕組みで解決しよう” という考えが芽生えたように感じます。
また、PrintCreatorを使えば作成した帳票をPDF保存できるため、帳票を印刷しないケースも増えました。ペーパーレス化が進んで紙の書類は1,500枚から130枚にまで削減され、さらに “脱ハンコ” も進むなど、従来のアナログな文化から脱却しつつあります」(服部氏)
▲同社のkintoneアプリ相関図
さらなる活用に向けて、トヨクモが運営するブログ記事で設定方法や実例などの情報収集を続けている服部氏。同社が次に目指すのは、kMailerとkViewerの導入によってさらなる業務効率化を進め、担当者の負担を軽減していくことだと話します。
「kintoneを活用してお客様にお送りするメールの本文を自動生成できるようになったので、今度はkMailerとの連携によってコピー&ペーストや送信の作業を自動化して効率を高めるとともに、送り先の間違いも防げる仕組みを作りたいと考えています。
また現在は、障害対応のお知らせをホームページを直接編集する形で掲載しています。kViewerの活用によって、障害対応管理アプリの情報を自動的に公開できるようになれば、直接編集に伴う担当者の負担も軽減できるはずです。こうして“こんな方法もあるよ” と代替ツールの利便性を伝えていくことで、社内各所の業務負担をより一層軽減していきたいと思っています」(服部氏)
記事公開日:2024年9月2日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります