株式会社小善本店様は1894年に東京・浅草で創業したのり問屋で、「幸せな食卓を世界中の人々へ」を企業理念とし、食品加工や海苔製品の販売を中心に事業を展開されています。
小善本店ではかねてより利用していた基幹システムがありましたが、カスタマイズの柔軟性やモバイル端末に対応していないなど課題を抱えており、2020年にkintoneへの切り替えに舵を切ります。同時に、大量の紙の書類やExcelへのコピー&ペースト作業に依存していた工場の業務改善のためにPrintCreatorを導入。トヨクモの連携サービスが業務の効率化に役立つと実感いただき、その後は会社の受付や小売店舗のポイント制度にFormBridgeとkViewerをご利用いただいております。
今回は多様な場面でトヨクモの連携サービスをご利用いただいている小善本店の小田切様と松川様よりお話をお伺いした活用事例を5つご紹介します。
PrintCreatorでさらなる効率化を実現
kintoneを導入するきっかけは、パッケージ型基幹システムのカスタマイズのしづらさにありました。ユーザー側で容易にシステムの変更やカスタマイズができなかったことから、柔軟性の高いkintoneの導入が決まったそうです。
基盤システムを徐々にkintoneに切り替えていく中で、kintoneだけでは解決が難しい課題があることに気づきます。
<PrintCreator導入前の課題>
・加工工場ではどうしても紙の書類が必要になる
・営業担当がお客様に提出する売上データのフォーマットが属人化し管理ができない
・毎月の取引をまとめた統括請求書の発行に大変な手間がかかる
「kintoneのレコードの内容はそのままに、さまざまなフォーマットで帳票出力できるシステムがないか調べたところ、トヨクモさんのPrintCreatorにたどり着きました。いくつか類似のサービスもあったのですが、サイボウズの子会社だったということもあり、仕様変更に対応する速度も早いのではという思いでPrintCreatorに決定しました」
【活用事例1】kintone ✕ PrintCreatorで一週間かかっていた請求書作成作業が半日で終了!
PrintCreatorの導入によって、もっとも効率化の効果を感じている業務が、統括請求書の作成です。
小善本店では特定の取引先に対して、その月の取引や請求内容をまとめた統括請求書を提出する必要がありました。kintone導入前はCSVでデータを吐き出しデータを整理、合計金額をまとめるという流れでしたが、kintoneではこれらの作業の大半をほぼ自動でできるようになったそうです。
▲PrintCreatorで出力された総括請求書。これまではCSVデータを手動で集計していたため作成に一週間かかっていた。
一方で、先方の要望もあり、すべての内容を1ページに収める必要があったため、kintoneの情報を簡単に帳票にできる仕組みが必要でした。
「これまで作成に一週間かかっていた作業が、確認作業含めて半日で完了するようになりました。担当していた管理部と経理からは本当に楽になったと声が上がっています」(小田切氏)
【活用事例2】バラバラだった加工報告書をボタン一つで手間なく簡単出力
また小善本店では加工工場を有しており、現場ではパート職員が活躍しています。パート職員は社用のタブレットやスマートフォンを持たないため、kintoneの情報を確認できません。そのため製品ごとの目標製造数や実際の生産数、ロス数や原料の使用枚数などを記載する焼き加工報告書や指示書、運送会社とのやり取りの際に必要なデータなどを事務所で印刷して現場に持ち込む必要がありました。
焼き加工報告書については夕方に事務が回収し、その内容をExcelに入力して管理する、という業務フローだったため、リアルタイムでの製造状況がシステム側で確認できず、現場以外から在庫状況に応じた指示を出すことが難しい状況だったそうです。
「kintoneを導入してからは現場のPCから製造数やロス数などをパート職員に入力してもらう流れに変更することで、ほぼリアルタイムで在庫変動が分かるようになり、状況に応じた指示も出しやすくなりました。
一方で、パート職員はタブレットやスマートフォンを持っていないので、kintoneを導入しても紙でのやり取りはどうしても残ってしまいます。そのためリアルな情報を反映させた指示書を簡単に出力して指示が出せる仕組みが必要だと考えました」(松川氏)
そこでご活用いただいたのが、kintoneの情報をボタン一つで出力できるPrintCreatorです。
「必要なときは該当する情報からPrintCreatorを使ってボタン一つで指示書を出力できます。フォーマットはパート職員が見やすいレイアウトに統一。いちいち情報をコピー&ペーストして体裁を整える手間がなくなりました」(松川氏)
▲その日の加工商品や実際の加工数、ロス数などを記載した焼き加工報告書。現場で入力されたkintoneの情報をPrintCreatorによってボタン一つで整形、印刷できるように。
【活用事例3】属人化していた売上データのフォーマット化と管理にもPrintCreatorが活躍
またPrintCreatorは、お客様に提出する売上データのフォーマット化と作成効率を高める部分にも寄与しています。
これまでお客様に提出する売上データは、CSVで抽出した情報を社員それぞれが独自のフォーマットでExcelに書き出すなど、データの管理が属人化している状況でした。そのため、簡単に売上データを帳票化できる仕組みや、出力したデータの管理が必要な状況だったそうです。
PrintCreator導入後は、必要な情報を抽出し、ボタン一つで簡単に出力できるようになった他、出力管理もできるように。作業の効率化や属人化からの脱却ができているそうです。
kintoneとPrintCreatorを組み合わせた業務改善によって、紙の出力枚数の削減に成功。会社のリフォーム時には、これまで焼き加工報告書や指示書を保管していた満杯のファイル棚がまるまる撤去されたそうです。
【活用事例4】FormBridgeでkintoneが受付システムに!入館情報も蓄積される一石二鳥の効果
小善本店では他にも、多様な場面でトヨクモのkintone連携サービスを独自の活用方法でご利用いただいています。続いてご紹介するのは、会社の受付システムとしてFormBridgeを利用されている事例です。
小善本店では本社移転に伴い、新たに受付システムの導入が求められました。移転前は受付が存在せずその場にいた社員が対応していたほか、訪問者が顔なじみの方であれば、直接事務所のあるフロアに入ることも可能だったそうです。しかし、移転先のビルではセキュリティが強化され、外部の方が容易にフロアに入ることが難しい状況に。そこでシステム部門の担当者が思いついたのが、FormBridgeによる受付対応アプリでした。
当時すでに移行が完了していたkintoneと、コミュニケーションツールとして利用していたLINE WORKSを活用。受付に設置されたタブレットに、FormBridgeで作成した受付フォーム画面を表示させ、訪問者に必要情報を入力してもらえば、LINE WORKSを通して当該の部署や担当者に通知が入り、さらにkintoneに情報が残るようにアプリを設計しました。
※LINE WORKS との連携はサポート対象外です。
▲受付に置かれたタブレットに表示されている画面。黒塗りの部分にはQRコードがありスマートフォンからも受付が可能に。
LINE WORKSは社員のPCのほか、社用のスマートフォンにもダウンロードされているため、担当者が席を離れていても来訪の確認や対応ができるようになったそうです。
「普段からコミュニケーションツールとして使用していたLINE WORKSなら、通知の見落としが一番見落としが少ないだろうということでこのフローになりました。
さらにkintoneと連携しているので、訪問履歴や誰がいつ来社したかなどの情報が自動的にデータ化でき、簡単に管理できることもうれしいポイントです」
▲kintoneの来客履歴アプリ。FormBridgeを活用することで、訪問者が入力した情報がそのままkintoneに反映される。
受付画面に表示されたQRコードを読み込めば、訪問者のスマートフォンから操作することも可能に。トヨクモのkintone連携サービスが、業務の効率化とセキュリティの強化の両方の実現に寄与できた事例と言えます。
【活用事例5】kViewerで会員のポイント情報をお客様に共有!
トヨクモのkintone連携サービスを社外の方向けに活用した事例は他にもあります。小善本店ではかねてより本社1階部分で商品や軽食を販売する店舗を構えていました。本社移転に伴い、新たにおにぎりなどの軽食販売をスタートさせ、合わせて「のりまいれーじくらぶ」というポイント制度を導入することに。その効率的な運用にkViewerのMyページビューが一役買っているそうです。
「あらかじめkintoneにお客様のポイントや購入履歴を保存したうえで、お客様が来店の際にレジに設置されたQRコードを読み込むと、自分のスマートフォンでkViewerのMyページビューを通して各種ポイント情報が確認できるようになっています。ポイントを貯めるときは購入時にその画面に表示されたQRコードをレジで読み取ることで、新たに加算される仕組みです」(小田切氏)
▲小善本店で実装されている「のりまいれーじくらぶ」の会員画面。kViewerでkintoneに登録された購入履歴やポイント状況などが確認できる。
別サービスを利用して会員証のQRコードを読み込むことで購入履歴やポイントが自動的に加算されていき、ポイントが貯まると会員のレベルがアップしてカードの色が変わるそう。(※)ポイントが貯まるとクーポンが発行されて商品がもらえるなど、顧客とのエンゲージメント向上につながる取り組みが、普段の業務で利用しているkintoneの延長でできることに、トヨクモ製品の良さを感じていただいていました。
※カードの色変更のカスタマイズはサポート対象外です。
▲kintoneののりまいれーじくらぶ会員アプリの画面。
トヨクモのkintone連携サービスはシステムが苦手な人にこそ効果を発揮
従来の業務改善や印刷物の削減だけでなく、多様な場面でトヨクモのkintone連携サービスをお使いいただいている小善本店。さらなる業務効率化を目指して、引き続きトヨクモのkintone連携サービスを活用していきたいと語ってくださいました。
「弊社もプログラムをバリバリ組むようなことが得意ではなかったので、そういうものであれば現場に落とし込むまでにすごく時間がかかっていたと思うんです。それがマウスとキーボードで感覚的に操作できてしまう。そのレスポンスの速さが魅力なので、プログラムが得意ではない人にこそおすすめです」(小田切氏)
また、kintoneを導入している企業にもトヨクモの連携サービスを強くおすすめしたいと語ってくれました。
「連携に不安がなく、とくに操作がシンプルで、プログラミング知識がなくても現場のニーズに合わせたカスタマイズができる点が魅力です」(小田切氏,松川氏)
業務改善に向けたシステムの導入をお考えの方はもちろん、kintonを導入している中でさらなる効果を期待したい方にもおすすめのサービスです。30日間無料お試し期間もございますので、ぜひ一度ご検討ください。
記事公開日:2024年9月20日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります