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有限会社光成工業 様

FormBridge活用で見積依頼から資格試験対策までをカバー!製造業のアナログな業務を改善し、会社全体のDXを推進


物流用の棚や台車、ユニットハウスなど、金属加工製品の製造・販売を行う有限会社光成工業。設計から加工、溶接、塗装、組み立てまでを自社で一貫して行なっています。

同社は、案件管理の煩雑さや情報管理の属人化によるコミュニケーションエラーの解消を目指し、2019年にkintoneを導入。その後トヨクモkintone連携サービスの導入を通じてさらなる業務改善を図った結果、社内の情報共有が円滑になったり、作業時間が削減されたりと、様々な効果を実感いただいています。

本記事では、有限会社光成工業設計部 千葉操様よりお話を伺いました。

属人的・アナログな業務からの脱却!kintoneの導入により売上30%増、紙20,000枚削減、残業時間が70時間/月→0を実現

同社では、kintoneを導入する以前、社内サーバーやExcel、Dropboxで情報管理を行っていました。情報共有をする際はその都度ファイルを編集し、Dropboxにアップロードする必要があったため、過去の情報を参照したい時はファイルを遡る必要があったり、原本を紛失してしまうことを恐れて個々人がファイルをローカルに保存していたりと、情報の一元化ができておらず、非効率な状態でした。

▲kintone導入前に使用していたExcelの工程表

また、当時は受注案件のみを案件管理の対象としており、見積案件に関する情報は、会議中に社長と営業担当者間で口頭で共有されるのみ。受注されなかった案件の情報は都度削除されるため、社員の仕事の履歴が残らない状態でした。

同社は、製品の種類が豊富な上に新規案件が多いという特徴があります。そのため、従来の方法では案件情報を十分に管理できず、情報の属人化が起こり、営業担当者と現場間で情報共有の遅延やミスが発生していました。その結果、現場では作業のやり直しが頻発し、一つの製品を3回作り直すこともあったそうです。千葉氏は当時を振り返り、「金銭的な損失が大きいだけでなく、社内の雰囲気も悪くなってしまっていました」と話します。

このような状況を受け、社長の提案によりkintoneの導入が決まった同社。一番の課題である案件管理から着手する想定でしたが、全社的にkintoneを活用するために、まずは全社員が提出する日報をkintone化することになりました。

▲kintone導入前に使用していた日報用紙

しかし、kintoneでの日報提出はなかなか浸透しなかったと言います。

「kintoneへの移行期限を設けず、職長からそれぞれの社員へ間接的に伝達していたので、社員は『また何か始まったぞ』とやや懐疑的な気持ちだったと思います」(千葉氏)

このような状態が2ヶ月ほど続いた頃、千葉氏をはじめとした4名の社員により、kintoneの利用を促す動画作成や朝礼での呼びかけを行いました。動画には職長が率先して出演し、kintoneを活用している様子をアピール。社内から日報用紙が無くなる期日も伝えました。

▲動画のキャプチャ。日報がkintoneへ完全移行される日を明示することで記入率が大幅に向上した

▲kintoneの日報アプリ

これらの取り組みによってkintoneでの日報提出が浸透し、社員たちはkintoneの操作に慣れていったそうです。徐々に案件管理アプリへの記入率も向上し、kintone上に案件の情報を集約させることに成功。一番の課題だった「案件の見える化」が実現し、情報共有や特殊な案件に対する対策がスムーズに行えるようになりました。営業担当者と現場間での認識齟齬も起こりづらくなり、製品の作り直しなどの手戻りが大幅に削減されました。

その後もkintoneの活用の幅を広げていった同社。千葉氏はkintone導入の効果について、業務効率化だけに留まらないと話します。

「kintoneを導入するにあたって、改めて業務フローの把握と見直しを実施しました。これまでも業務フローの見直しは行ってきましたが、kintoneを導入したことでより広い視野で業務を捉え、新たな改善点を見つけ出すことができたと感じています。その結果、紙での出力や二度手間となっていた工程を省くことができました」(千葉氏)

kintone導入により業務改善に成功した同社は、月に70時間にも及んでいた残業時間が0になり、売上は30%増加、さらに紙の年間使用量が20,000枚も削減されるなど、様々な効果を得ています。

さらなる業務改善を目指して、kBackup、FormBridgeを導入

kintone導入により全社的にDXが進んでいることを実感した同社は、さらなる業務改善を目指し、トヨクモのkintone連携サービスであるkBackupFormBridgeを導入しました。

大切なデータを守るため、kBackupを導入

「kintoneへの情報の集約化が進む中で、コンサルタントの方からデータバックアップの重要性についてアドバイスを受け、kBackupを導入しました。当社では、複数回にわたって仕様変更をした後に『やはり最初の仕様の製品が欲しい』と注文を受けることが度々あるため、過去の情報をきちんと保管しておかなければいけないのです」(千葉氏)

同社では、案件管理、個人情報、顧客情報をバックアップ対象に設定。kBackupを導入したことで誤操作によるデータ紛失のリスクが減り、社員が安心して業務を行えるようになりました。

汎用性の高さに惹かれ、FormBridgeを導入

また、社内イベントを開催する機会が多い同社では、イベント後に参加者が回答するアンケートフォームを簡単に作成できるツールを探していました。そこで千葉氏がFormBridgeを社内に提案したところ、見積作成にも活用できることが決め手となり、その場で導入が決定したと言います。

「FromBridgeの無料お試しを実施した際に、操作性やkintoneとの互換性に加え、他社製品と比較した際のリッチな機能とデザインに魅力を感じていました。当時は個人的な利用に留まっていたのですが、当社がkintone AWARDに登壇したこと、他社のトヨクモ製品の活用事例が後押しとなり、全社的な導入に至りました」(千葉氏)

導入後はアンケートや見積作成、社外イベント、資格試験対策など、様々な場面でFormBridgeが活用されています。また、FormBridgeの導入により、kintone上にアンケートアプリが無闇に増えることも防げており、より効率的なアプリ開発の考え方が社内に浸透してきているそうです。

見積から資格試験対策まで。情報共有の課題を続々クリアしたFormBridgeの活用例3選

活用事例①社内アンケート

▲FormBridgeで作成した社内アンケートフォーム

【FormBridge導入前】
FormBridge導入以前、同社は外部サービスを利用してアンケートフォームを作成していましたが、操作方法の複雑さに課題を感じていました

【FormBridge導入後】
そこでFormBridgeを導入したところ、直感的で分かりやすい操作性ながら、条件分岐などの機能も充実しており、簡単にクオリティの高いアンケートフォームを作成できるようになりました外国籍の社員も回答できるよう、同社では質問、回答ともに英語と日本語の二か国語で表記しています
また、kintoneアプリ側で回答結果を自動的に集計、分析することができるため、前年度の回答結果との比較も容易になりました

活用事例②見積依頼・作成

【FormBridge導入前】
FormBridge導入以前は、見積時に使用するフォーマットが用意されておらず、担当者がそれぞれ独自の方法で対応していました。そのため、製造に必要な情報を聞き逃してしまったり、口頭やメールでの情報共有によって伝達漏れが発生したりと、様々な問題が発生していました。Excelでフォーマットを作成して共有しようと試みたこともありましたが、定着には至らなかったと言います。

【FormBridge導入後】
そこでFormBridgeを導入し、フォーム上で製品仕様などを選択するだけで見積が完了し、同時に営業担当者と設計担当者に通知が送信される仕組みを構築しました。その結果、kintone上で案件の進捗をリアルタイムで共有できるようになっただけでなく、タイピングが苦手な社員の案件登録も効率的に行えるようになりました。

▲FormBridgeで作成した見積フォーム。条件分岐設定により必要な情報を漏れなく入力できるように工夫

条件分岐の詳細は以下のページをご参照ください。
https://guide.kintoneapp.com/formbridge/branch/

▲見積フォームに回答が送信されると、営業担当者の見積依頼アプリに情報が反映される

▲入力に手間がかかる製品名などは、文字結合により入力不要に

このように見積書作成業務が標準化、効率化されたことで、営業担当者の入力負荷が月40分ほど軽減。さらに、見積フォームを顧客と共有すれば顧客側で情報を入力できるため、見積に必要な情報を正確に回収でき、顧客に再確認をする手間を省くことができました。

活用事例③資格試験対策

同社では、社員向けに実施している板金加工や溶接に関する資格試験対策にもFormBridgeを活用しています。

▲FormBridgeで作成した模擬試験

Webテスト(模擬試験)をFormBridgeで作成し、社員が各自でWebテストを受験。その結果がkintoneの標準機能によって集計され、合計点が上長の元に自動で送信される仕組みを構築しています。

トヨクモkintone連携サービスの輪を広げ、業務やコミュニケーションをさらに円滑にしていきたい

同社では、今後もトヨクモkintone連携サービスを活用し、さらなる業務効率化やコミュニケーションの円滑化を目指しています。現在の構想を千葉氏に伺いました。

1. FormBridge x kViewer x PrintCreaterによる製品の耐荷重計算

FormBridge、kViewerPrintCreatorを連携させ、顧客が製品の耐荷重を自由に計算できるシステムの構築を検討しています。

具体的には、顧客がFormBridgeで作成したフォームに製品の要件を入力すると、その場で耐荷重が自動計算され、kViewerで結果が確認できる仕組みです。これにより、計算結果に基づいた製品の案内や、既製品の要件に満たない場合にはオーダーメイドでの対応を提案することも可能になります。

「現在は、複雑な計算式や関数を手動で入力する必要がありますが、将来的には数値や公式を自動入力できる仕組みにすることで、お客様により便利に利用してもらえるシステムを構築したいと考えています。耐荷重計算と製品のご案内がWeb上で完結できるようになれば、より早くお客様の元に製品を届けられるようになるでしょう」(千葉氏)

2. 実習生用の社内問い合わせフォーム

FormBridgeの活用方法として、実習生向けの外国語に対応したフォームを作成し、寮で困りごとがあった場合の窓口を設けることも検討しています。

「現在は、総務担当者が電話で問い合わせに対応しています。しかし、設備の不具合など、口頭では状況を正しく伝えにくいケースもあるため、FormBridgeで専用の窓口を設けたいと考えています。問い合わせ時に、あらかじめ必要な情報をフォームに入力してもらうことで、よりスムーズな問題解決につなげたいと考えています」(千葉氏)

3. 日報の簡易化

FormBridgeを活用すれば、紙からkintoneへ移行した日報を、さらに簡易的に提出できるようになるのではないかと考えています。

「現在は、ルックアップを使って受注番号を呼び出し、作業時間を入力しています。しかし、実際は『誰がどの案件にどれだけの時間をかけているか』といった個人単位のデータではなく、『部署全体でどの案件にどれだけの時間をかけているか』が分かれば十分です。そのため、いずれは作業完了時に指示書のQRコードを読み込み、作業時間を入力・送信するだけで日報が提出できるような仕組みにしてみたいと考えています」(千葉氏)

4. 連携先企業の業務負荷の軽減

さらに、見積フォームを連携している企業に対して、業務負荷の軽減につながる仕組みの構築も視野に入れていると話します。

「外部連携しているサービスをトヨクモkintone連携サービスに一本化し、情報の一元管理を目指したいと考えています。例えば、PrintCreatorを導入すれば、見積依頼の送信から、単価入力、帳票出力までをワンストップで行うことができるようになるはずです。将来的には、連携先企業のフォーマットで帳票を出力できるような仕組みの構築も検討していきたいです」(千葉氏)

5. 新規案件のフォーム化

製品の種類が豊富な上に、新規案件が多い同社では、より細やかな案件に対応できる汎用性の高いフォームの作成を目指しています。

「現在は主要な2製品の見積フォームしか用意できていない状態です。そのため、今後は他の製品や、複雑な依頼にも対応できるような、より汎用性の高いフォームを構築していきたいです」(千葉氏)

6. 地域活動との連携

最後に千葉氏は、業務外でのトヨクモkintone連携サービスの可能性を語ります。

「kViewerのカードビューを活用すれば、廃棄物の分別を見やすく一覧表示できるのではないかと考えています。他にも様々な機能を活用しながら、社内の環境整備の取り組みを見える化してみたいです。
また、地域の観光マップやバスツアーのしおりをkViewewで、イベント参加者の募集をFormBridgeで行うなど、地域活動との連携もできそうだと考えています」(千葉氏)

記事公開日:2024年9月13日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります