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認定特定非営利活動法人グリーンバレー様

膨大な視察問い合わせの窓口をkintoneに集約、一目でデータの収集、連携、分析が可能に!

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認定特定非営利活動法人グリーンバレー様

認定特定非営利活動法人グリーンバレー様

グリーンバレー様イメージ図


認定特定非営利活動法人グリーンバレーは、徳島県神山町の町づくりをしている団体です。神山町は徳島空港から車で1時間ほどのところにあり、すだちが名産となっています。徳島県が全国シェア95%の生産量、そのうち神山町が25%と県内トップを誇っているそうです。不動産屋が町内にないような山間部の町とのことですが、60数年前は林業が盛んで人口は2万人を超えていました。しかし、現在では人口は約5000人と減少しています。高齢化率も50%を越えました。

NPO法人化は2004年ですが、1992年に設立された「神山町国際交流協会」が前身の組織となっています。地元の人口が減って、寂しい感じになっていくのをなんとか面白くしようと、地元の有志が仲間内で活動を始めたのです。

そのおかげで、昭和45年以来初めて、平成23年に転出者よりも転入者が多くなることを経験しました。今は地方創生の成功事例として、全国的に有名になっており、”地方創生の聖地”と呼ばれることもあります。

注目度が上がるごとに、全国から問い合わせが来るようになり、対応が難しくなってきました。今回は、kintoneとフォームブリッジを使い、大量の問い合わせを効率的に捌き、関係各所と情報連携を取れるようになった経緯を特定非営利活動法人グリーンバレー 事務局の伊藤友宏氏と林大晟氏にお話を伺いました。

認定特定非営利活動法人グリーンバレー 伊藤友宏氏、林大晟氏


課題■複数チャンネルから入る問い合わせを捌く作業負担が大きくなってきた


神山町の過疎化は進んでいましたが、グリーンバレーは様々な施策に取り組んでいました。例えば、1999年からスタートしたアーティスト・イン・レジデンス。8月末から2ヶ月間、国内外から3~5名のアーティストを招聘し、滞在しながら作品を制作してもらうというものです。10月下旬には、作品展覧会も開催されます。

他には、サテライトオフィスの誘致も行っています。神山町に高速ブロードバンド回線を敷設し、古民家などを活用してIT系などの場所を選ばない企業に入ってもらっているのです。

すると2011年度、町から出て行く転出者より、転入者の方が増えるという社会増が起きました。そこから神山町が田舎の町づくりの事例として注目されることになったのです。同時に、その様子を見るために、視察の問い合わせが増えてきたそうです。

寄井商店街を視察している様子


「サテライトオフィスの見学は私たちがハブになって、企業さんとやりとりします。議会の視察がある場合も、役場へ橋渡しするための問い合わせも、私達が窓口として受け付けています。申し込みは、電話で来ることもあれば、メールやSNSに来ることもあり、さらには事務局ではなく理事に直接連絡が届いたりします。多くの連絡が様々な方向から入ってくるのです。視察に来てくれるというのはありがたいことですが、段々と事務作業の負担が大きくなってきました」(伊藤氏)

複数のチャンネルから来る問い合わせを、手動でGoogleカレンダーに入力して、情報共有していました。しかし、件数が多くなるほどに、Googleカレンダーがどんどんぐちゃぐちゃになっていったそうです。そうなると、スケジュールの調整ミスも発生するようになります。

そんな中、神山町にサテライトオフィスを開設している、ウェブサイトのコンサルティング・製作・構築を行っているダンクソフト(https://www.dunksoft.com/)がアドバイスをしてくれたそうです。

ダンクソフトはサテライト企業向けのコワーキングスペースに、プロジェクトがスタートした当初から入ってくれました。視察に来た人たちが、サテライトオフィスを見たいというと、話をつないで協力してもらっていたそうです。その際、ダンクソフトの人たちが、グリーンバレーの人たちが仕事をする様子を見て、受入れ業務は大変そうだなと感じていたそうです。その流れで、「kintoneというツールを入れれば、改善できるよ。」とアドバイスをもらったのです。



導入効果■問い合わせ内容の登録が自動化されコミュニケーションミスがなくなった


2016年5月に、グリーンバレーに寄せられる問い合わせ管理と情報共有のためにkintoneとフォームブリッジ(導入当初は前身のフォームクリエイター)を導入することになりました。入力フォームを神山町のウェブサイトに埋め込み、利用者はそこから手軽に問い合わせを送れるようになりました。もちろん、入力された問い合わせ内容は、自動的にkintoneアプリに登録されていきます。

「kintoneとフォームブリッジを入れてからは、電話やメールで問い合わせが来ても、業務フローとして申し込みフォームを用意しているので、そこから入力してください、とお願いしています」(伊藤氏)

きちんとした問い合わせフォームがあれば、誘導するのも簡単です。さらに、情報共有のためにもkintoneを活用することにしました。サテライトオフィスのツアーであれば、サテライトオイフィスの担当とやりとりするので、その担当者にkintoneアカウントを払い出しているのです。

kintoneで繋がることによって、今までメールや電話でやりとりしていた連絡が、kintoneの中のスレッドでやりとりできるようになりました。

「役場の方にもすごい数の視察が来ていました。他の県知事や大臣など、県として対応したいお客さまの問い合わせも、神山町に入ってくることがあるので、情報を共有するために県や町の役場の担当者にもkintoneのアカウントを発行して、状況を見てもらえるような状況を作っています」(伊藤氏)

毎日のように視察の予定が入ってきますが、カレンダーで一覧できるようになりました。


2019年度、フォームからの参加申し込み数は、年間で301団体、そのうち実際に視察を催行したのが285団体となります。ピーク時期には毎日のようにお問い合わせがくるそうで、1年間で平均すると、およそ1日1~2件のお問い合わせがくるそうです。その情報がフォームを経由して自動的にkintoneアプリへ登録され、同じプラットフォーム上で関係者が閲覧できます。追加情報があれば、それぞれが入力するようになり、コミュニケーションミスが格段に減ったそうです。

町づくりのためのプロジェクトは徐々に増えていきます。しかし、グリーンバレーが主体になっていないプロジェクトでも、一旦、グリーンバレーに問い合わせが来ることが増えたそうです。そんな時も、問い合わせを断るのではなく、窓口業務を請け負い、レクチャーをする企業につないでいるそうです。

視察メニューが増えると、当然アプリの改修が必要になりますが、現在は伊藤氏と林氏が作業しています。

「初めの導入サポートはダンクソフトさんにやってもらいました。現在は、メニューの追加程度なら私と林で、kintoneを触って対応しました。kintoneとフォームブリッジのUIがシンプルだからです。柔軟に自分たちの業務内容に合わせて更新できていったのはありがたかったです。わからないことがあっても、ヘルプが充実しているので調べればすぐに解決できました」(伊藤氏)

フォームブリッジのUIが簡単で迷わず操作できたそうです。


kintoneとフォームブリッジのUIが使いやすいというのは、林氏も同感とのことでした。林さんが入社してすぐ担当したのが、この視察問い合わせの対応だったそうです。

「kintoneとフォームブリッジのUIがわかりやすかったので、入社後すぐでも使えて、スケジュール管理もできました。サイボウズやkintoneという名前は以前から知っていました。私は大阪大学大学院の卒業生ですが、実は、所属していた研究室のかなり上のOBがサイボウズの青野慶久社長だったんです。」と林氏。驚きのつながりです。

フォームブリッジで収集したデータは、分析にも活用しています。単なる連絡先だけでなく、視察などを希望する方達の区分情報を必須項目として用意しているので、属性の集計も可能です。普段はスケジュール調整に利用しているデータですが、例えば1年後に「今年のサテライトオフィスの視察状況を教えてください」と言われても、スムーズにデータをアウトプットできるというメリットもあったそうです。

全データがkintoneアプリ内に蓄積し、分析にも利用できるようになりました。


最後に今後の展望を伺いました。


「新型コロナウィルスの影響で直接来れない方のために、オンラインで質問に答えるような、コンサル的なことを事業として進めていく予定です。現在、林がkintone上でオンライン視察管理という新たな案件管理アプリを作っているので、フォームブリッジと連携させていこうと思います」と伊藤氏は締めました。