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株式会社後藤組 様

建設業の多数業務をkintoneでDX化!残業時間/紙/廃棄物の削減・新卒定着率向上の成果を生んだ活用事例



建設業・不動産売買仲介業・建設資材のリース事業などを展開し、1926年の創業以来長きに渡って地域に貢献してきた株式会社後藤組。社員一人ひとりが変革に挑み進化し続けることを掲げ、その一環として様々な業務のDX化を推進しています。

同社では建設現場での安全書類管理やtoC事業での顧客管理のデジタル化、社内利用システムの統一を目的にkintoneを導入。その後、「取得したい元データ自体も外部から直接情報の入力を可能としたい」「一覧表示以外の形で社内データ共有を行いたい」等のニーズが生まれ、トヨクモkintone連携サービスを導入いただきました。これをきっかけに、より一層kintoneの活用がすすみ、残業時間やプラスチック廃棄の削減、新卒定着率の大幅向上などに繋がっています。

本記事では、株式会社後藤組 経営管理部の笹原 尚貴氏よりお話を伺いました。


ペーパーレス化推進、社内システム統一のためkintoneを導入

kintoneを導入する以前は、建設現場での安全書類の管理は紙で行い、そのデータをExcelに転記。そして集計していたそうです。また、リフォームや新築住宅に関するBtoC業務の顧客管理も、安全書類の管理と同様に紙とExcelを用いたフローだったため、社内での情報共有に多くの時間を要していました。

▲システム導入前に利用していた安全管理書類


当時、社内に基幹システム自体はあったものの、すでに30年近く利用していたこともあり、システムから必要な情報を探すのも一苦労という状況。そのうえ、各部署ごとに異なるシステムを導入しており、業務の進め方にもばらつきがありました。

こうした業務の煩雑さにより長時間の残業が発生してしまう状態から、新卒をはじめとした次世代の担い手が会社に定着しないという課題を抱えていた後藤組。課題解決に向け、働き方改革として全社的なDX推進に乗り出されたそうです。

推進を任された笹原氏は、すぐにさまざまなDXツールの情報収集を開始されました。その中で、知っている会社がkintone hiveに出ることを聞き、参加。イベント内で、kintoneの自由度の高さに魅力を感じ、導入を決定しました。

現場でのデータ入力もオンライン化へ。kintone連携のしやすさからトヨクモkintone連携サービスの導入に至る

kintoneを導入したことで、社内でのデータ管理は簡単に行えるようになりました。しかし、現場の効率化にはあまり繋がっておらず、下請け業者様の職人さんから手書きで報告書を作成していただく状況が続いていました。

結局、現場から受け取った紙の報告書をExcelに入力するという、以前のフローでの入力先がExcelからkintoneに置き変わっただけ。十分な業務効率化は、まだ果たせていませんでした。

より効率的な業務フローを実現するためには、現場での情報入力もオンライン化する必要があり、そのための連携ツールを検討。kintoneとの連携がしやすいトヨクモkintone連携サービスを導入をいただくことになりました。

最初に導入した連携ツールは、現場からの報告をオンライン化するためのFormBridge。その後、他の業務でのデータ共有や在庫管理についてのニーズもあったため、kViewerDataCollectも導入いただきました。

FormBridgeの導入時は、他社製品も含めてフォーム制作ツールを検討していましたが、kintone連携のしやすさを重視した結果FormBridgeを導入。FormBridgeの使い勝手の良さが決め手になり、kViewerやDataCollectは比較検討することなく導入いただきました。
kintone hive参加時にトヨクモkintone連携サービスの名前をよく耳にしており、安心感があったことも導入の決め手の一つだったとのことです。

建設現場における日々の報告書類をFormBridgeでデジタル化。紙の使用量を60%削減し、残業時間も削減


建設業界では、現場に出入りした関係者を日々記録し、報告することが義務化されています。FormBridge導入以前は、現場の職人の方に手書きで紙に情報を記録してもらい、職人さん方が帰宅してから、その情報を後藤組の社員がExcelに転記していました。
この課題を解決するためにFormBridgeを導入。これによりExcelに転記する手間が削減され、大幅な業務効率化につながりました。

これらの改善を行った結果、まず現場で利用していた紙の消費量が60%削減されました。さらに各現場にて報告書の手書きや、その報告書類をExcelに転記する手間が改善されたことで、一人当たり残業時間を21.1%削減することもできました。


▲システム導入以前に利用していた書類のごく一部


▲関係者の新規登録フォーム


社内で余剰資材をリユースする仕組みをFormBridge×kViewer×DataCollectで構築。年間400kgの廃棄物を削減

トヨクモkintone連携サービスの導入によって社内外での事務作業を効率化した後藤組ですが、サステナビリティ活動にも同サービスを活用しています。

同社では、以前から各現場で余った資材をリユースする取り組みをしていました。
トヨクモkintone連携サービスの導入前は、各現場で余った資材をkintoneで一覧表示し、それを見て利用希望を出すという仕組みでした。しかし、その形式だと情報がわかりづらいため、カタログのような形式に変更したいという要望が社内から挙がっていました。また、在庫変動があった時はkintoneマスタデータを手動で更新する必要があり、現場は常時20〜30件ほどあるため、在庫管理の機能面でも改善の要望が出ていたそうです。

▲トヨクモkintone連携サービス導入前の余剰資材リユースアプリの画面(kintone一覧表示)


そこで、各現場のリユース対象の建築資材情報をkintoneマスタデータに登録した上で、kViewerにてカードビュー形式で表示。さらに、FormBridgeを用いた利用申請フォームを構築しました。また、DataCollectを活用することで、各資材の在庫がリアルタイムで更新されるようになりました。

▲kViewerカードビューで表示した資材リユース一覧画面。一目で詳細がわかるようになった


▲FormBridgeで作成したリユース資材の申し込みフォーム


アプリの仕組みを改善し、情報が視覚的に得やすくなったため、各現場で本アプリの活用が進み、リユースが積極的に行われるように。その結果、年間400kgものプラスチックの削減に成功し、新たな資材購入の経費も、月間47万円削減することができました。


顧客管理や情報共有、予約システムなど他多数の業務でもkintone×トヨクモkintone連携サービスを活用。残業時間削減で新卒の定着率も約20%向上


ここまでにご紹介した内容以外にも、様々な業務においてkintone×トヨクモkintone連携サービスをご利用いただいています。

たとえば顧客管理。トヨクモkintone連携サービスの導入以前は、リフォームや新築住宅販売をするBtoC領域の部門において、営業を行った顧客へアンケートを紙で実施していました。その後、アンケートの回答と直接ヒアリングした内容の両方を、営業担当者がExcelに入力していました。
また、社内に共有する際は、その情報の中から必要な情報をピックアップして書類にまとめるというフローになっていたため、ここでも二度手間が発生していました。

▲kintone導入以前の顧客管理シート


そこでFormBridgeを活用し、アンケートと営業担当者のヒアリング内容を同様のフォームから登録するフローに変更。FormBridgeに登録されたデータは、そのままkintoneのマスタデータに登録されるようになり、社内共有時には、kViewerから必要なデータを最適な形で表示できるようになりました。

▲FormBridgeで作成した顧客アンケートフォーム


また、新卒採用の場でもご活用いただいています。学生向けのアンケートも、顧客へのアンケートと同様に、FormBridgeにてフォームを作成し、集計結果をkViewerで社内共有。

選考の日程調整では、kViewerのカレンダービューにて選考日時の空き枠を表示し、希望日時を選択するとFormbridgeの申し込みフォームへ移行。そこから申し込み対応をしてもらうというフローで、日程調整を行なっています。

▲面接日程の調整に活用しているカレンダービュー


その他、社内での情報共有にも活用いただいています。社内でkintoneが徐々に浸透した結果、各部署でアプリが作成されるようになりました。しかし、部署ごとの連携がとられていなかったため、同じような機能を持ったアプリが乱立することに。この部分でも重複を省き業務を効率化するため、成果が出ているアプリ事例をkintoneマスタデータに登録し、それをkViewerにてカードビュー形式で閲覧できるように変更。その結果、社内でノウハウ共有が簡単にできる体制になりました。

▲kViewerカードビューを用いた社内DX事例集


システムの導入当初は、笹原様が主に担当となり、社内からの要望を受けてアプリ開発を行っていましたが、現場の実態が不透明な部分もあったため、100%要望を叶えることは難しい状況でした。

そこで「全員DX」をテーマに、現場社員自身でもアプリを作れる組織づくりを推進。DX関連の社内セミナーや、kintoneでのアプリ作成スキルを測る独自の社内試験を実施しています。さらに試験に合格することで社内の独自資格を取得できる制度も設け、77%もの社員が基本的なアプリを作れるレベルの資格を取得しているそうです。現時点で2,431件もの、アプリ制作実績が生まれました。

このように、kintoneとトヨクモ連携ツールを用いて社内のあらゆる業務でDX化を推進したことで、課題となっていた残業時間の削減に成功。若い社員の定着率も上がり、64.3%だった新卒社員の3年後定着率は、現在83.3%まで向上しました。


FormBridge×kViewer×DataCollectで建築資材リース事業のECサイトを立ち上げたい

笹原氏は今後、社外向けの建築資材のリース事業においてもデジタル化を進めていこうと考えています。

▲現在リース事業にて利用している注文用紙。FAXにて受け付けている


「リース事業では、現在申し込みを電話もしくはFAXで受け付けています。そのため、タイムラグが生じることで、注文を受け取った時には在庫がなくなっているという事態が発生することもあります。この課題を解決するために、ECサイトの立ち上げを検討しています。現在考えているフローとしては、kintoneマスタデータにリース可能な資材を登録し、kViewerのカードビューで表示、FormBridgeのフォームからお申し込みいただく、というもの。DataCollectを用いてリアルタイムの在庫をお客様に見ていただくこともできるので、申し込んだにも関わらず在庫がない、というトラブルを回避できるだろうと想定しています。」(笹原氏)

記事公開日:2024年6月21日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります