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アドレス株式会社 様

kMailerとFormBridge活用で作業時間と郵送コスト大幅削減に成功!新たな取り組みにもチャレンジする不動産業の活用事例


福島県を中心に、宮城県や茨城県などで不動産の売買仲介などを展開するアドレス株式会社様。kintone活用によって店舗数を大きく伸ばした同社は、トヨクモkintone連携サービスの『FormBridge』と『kMailer』をうまく活用し、さらなる業務改善にもチャレンジされています。

多様な導入事例の中には、これまで約1時間かかっていた業務が約10分程度に短縮されたものも。今回はマーケティング課およびIT担当の小林 涼香氏に、『FormBridge』および『kMailer』導入のきっかけとなった課題や多様な活用事例、その効果について伺いました。

あまりの複雑さに独自システム開発が頓挫。煩雑なバックオフィス業務に課題

アドレスがkintoneを導入したきっかけは、複雑かつ非連携なバックオフィス業務に課題を感じていたことでした。

不動産賃貸業は賃貸物件の受付から始まり、顧客登録や販売活動などを経て売上を上げるというのが、大まかな業務の流れになっています。その間には煩雑な業務手続きが数多くあり、それらを管理するため、アドレス株式会社は8つの独立したツールを使い分けていました。

「それぞれのデータは連携していなかったので、同じ内容をいくつものツールに転記しなければなりませんでした。さらに情報が一元管理されていなかったため、進捗状況や内容によって確認すべきツールが異なるなど、運用面での面倒が多い状態でした」(小林氏)

▲kintone導入前の業務フローと、使用する資料を示した図。赤が紙で運用されていた部分(提供:アドレス株式会社)

こうした課題を解決するため、外部企業に独自のシステム開発を依頼したこともあったそうです。しかし複雑かつ専門的な業務内容や、法改正で頻繁に変わる業界ルールの説明などに時間を要してしまい、出来上がったシステムが納品された頃には、また新たな課題が発生するといった状況が続き、話は頓挫してしまいます。

頭を抱えた小林氏の上司の目に止まったのがkintoneでした。手始めに人事評価アプリをkintoneで作成したところ、自分たちだけで作ることができたことから、煩雑な業務課題解決の一助にもなるのではと、バックオフィス業務への応用がスタートします。

kintone導入でバックオフィスの分業化に成功。新店舗開設が加速

kintone導入は同社に大きな変化をもたらしました。それが会社の組織構造そのものの変化です。

これまでは各営業所に庶務という職種の方が必ず1名配置されており、受付から顧客登録、販売サイトへの物件掲載や契約書類作成など、ありとあらゆるバックオフィス業務を一人で担当していました。しかし業務範囲が多岐にわたることから人材の育成や確保が難しく、新たな営業所開設に歯止めがかかっていたといいます。

▲kintone導入前の組織図。庶務が店舗のバックオフィス全般を担っていた(提供:アドレス株式会社)

しかしkintone導入によって、これまで各営業所単位で行っていたバックオフィス業務がクラウド上で対応できるように。遠隔で各店舗のバックオフィス業務が対応できるようになったことから、これまで庶務一人で対応していた業務を細分化し、それぞれ専門部署を立ち上げることで分業化に成功。こうして各店舗に一人は必要だった庶務が不要になったことから、これまでよりもハイスピードで新しい営業所を新設できるようになったといいます。

「これまでは数年に1店舗のペースで開設していましたが、kintoneを導入した2019年以降、5年間で15店舗も増やすことができました。さらに社内の体制が整ったことで、不動産買取再販業という新たな分野にチャレンジすることも可能になったのです。今ではこの新事業の売上割合が高く、会社の成長に大きく貢献しています」(小林氏)

▲kintone導入後の組織図。庶務が担っていた業務を分業化し、遠隔でも対応できる体制に編成。庶務がいなくても営業所を新設できる体制を整えた(提供:アドレス株式会社)

FormBridgeとkMailerの活用による業務効率化6つの事例

【活用事例1】kMailerで見込み客に効果的アプローチ!テンプレート活用でフォローの質を標準化

<導入前>

kintone導入以降は物件を売りたい方と買いたい方の2つの顧客リストアプリを作成。顧客の一元管理に成功しています。一方、顧客の中には契約に至らないケースや連絡が途切れてしまうケースもありましたが、再度アプローチができていなかったといいます。そこで導入されたのがkMailerでした。

「リストを活用した新たな案件獲得を目指すことが決まり、どのようなツールでアプローチするのが効果的なんだろうと考えたときに、誰がいつアプローチしたのかが管理しづらい電話よりも、メールやショートメッセージがいいねということになりました。

一方で、複数の担当者がそれぞれのメールシステムで送信するのは大変だということでよいツールがないかを探していたところ、リストアプリからそのままメール画面に移行できるkMailerに行き当たりました」(小林氏)

数ある類似ツールの中からkMailerを選択した決め手は、簡単に初期設定できる点にあったといいます。

「他のツールも使ってみましたが、初期設定がややこしくて、私には難しそうだなと感じました。一方で、kMailerにはそうした難しい設定はなく、連携するkintoneアプリのAPIトークンやURLのコピー&ペーストのようなマウス操作で、すごく扱いやすいなと思ったのが選定の大きな理由になっています」(小林氏)

<導入後>

kMailer導入後、最初に行ったのが見込み客へのアプローチメールです。

「お問合せがあったお客様の進捗カテゴリを『一括査定対応中』という扱いにして、kMailerでアプロ―チメールをお送りするようにしています。メールを利用することで履歴が残り、業務の引継ぎも容易になりました」(小林氏)

▲顧客管理用のkintoneアプリ。画面上からメール作成ができる。


▲kMailerで作成した追客へのアプローチメール。ボタン一つで簡単にメールが作成できる他、テンプレートとして送付できるのでアプローチの質も担保できている。

またテンプレートを活用することで、誰が送っても同じ質でお客様にアプローチできることも魅力だと、小林氏は語ってくれた。

「進捗だけでなくお客様の確度に合わせてメール内容を細分化しているため、kMailerのテンプレート機能がかなり役立っています。
例えば角度の高いお客様に対しては星マークをつけたテンプレートを使用するとか、アポイントが取れたものの話がまとまらなかった方には、ハートマークのもので対応しようという形で、テンプレート名に記号をつけて、どのテンプレートがいいかを選びやすくしています」(小林氏)

▲kMailerでのメール送付画面。進捗に合わせた多彩なテンプレートが準備されている。記号付きで見やすいこともポイントに。

【活用事例2】kintoneとkMailerで査定書送付作業を約50分短縮!月約5,000時間の作業時間削減になることも

またkMailerは、これまで送付していた査定書の作成時間と郵送コスト削減という部分でも貢献しているといいます。

「物件を売りたい方には最初に査定書という書類の送付が必要になります。査定書はかなり分厚く、丁寧に製本しなければならないため、1冊の作成に大体20分から30分程度かかります。さらに郵送の準備も必要になるため、作成と送付だけで約1時間、さらに郵送コストがかかっていました。

しかしkMailer導入によって、査定書を簡単にデータで送付できるようになったため、製本や郵送を含めた一連の作業を10分程度まで圧縮できるようになりました」(小林氏)

同社では毎月約500件ほどのお問い合わせがあり、その約半数程度の方には査定書をお送りしているといいます。1件あたり約50分の工数が削減できたとすると、同じ数を対応した月で約5,000時間の差が生まれているといいます。

【活用事例3】2週間に一度の報告書作成を郵送からkMailerへ。作業時間と郵送費の削減に成功

<導入前>
同社では他にも、不動産の売主に対する売却活動の報告業務の中でkMailerを活用されています。

不動産業において、販売企業は物件の売主に対して、販売活動や買主からの反応といった情報を、報告する義務があります。これまでは査定書同様に紙での郵送を行っていましたが、2週間に1回、数100件近くを送付していたため、かなりの手間とコストがかかっていたといいます。

<導入後>
しかしkMailer導入後は、許諾が得られた売主に対してはメール送付で対応することで、業務負担を大きく減らすことに成功しています。

「報告書の発送は送付の約1週間前から準備を始めなければ間に合わないほか、2週間に1度発生する業務という点でも負担の大きな業務になっていました。一方で、売主様から許諾を得られた場合、送付はメールでも対応することが許されています。

現在約100件程度がkMailerでのメール送付に移行し、大幅な業務負担削減につながっています。kMailerを使えばボタン一つで送付できるほか、郵送コストも削減できるため、非常に助かっています」(小林氏)

▲kMailerでの売主への報告書送付メール画面。報告書がPDFで送付できる他、テンプレートが用意されているので簡単に送付できる。

【活用事例4】FormBridgeとkMailerで郵送リードタイム削減!最長2週間かかっていた作業が最短1日で完了することも

またアドレスでは、kMailerだけでなくFormBridgeでもさまざまな業務改善を成功させています。きっかけは不動産賃貸部門において賃貸の契約更新の際に発生する、ある確認業務だったそうです。

「契約更新の際には、借主貸主双方に契約を継続するかの確認が必要になり、これまでは郵送で意思確認を行っていました。ただ、本業務は最初に双方に郵送で意思確認を行ったあと、再び郵送で契約更新に必要な書類を送付し、返信を待って対応するという流れで進んでいました。

▲FormBridgeによる再契約締結の意向確認フォーム画面。フォームのURLをメール送付するだけで意思確認が可能に。

書類作成に時間がかかることはもちろん、郵送物によるやり取りではどうしてもリードタイムが長くなります。各人の確認が取れないと進まないため、完了までにかなりの時間を要していたのです。そこで、業務の簡素化を目的に導入したのがFormBridgeです」(小林氏)

導入後は、双方への意思確認とその後の契約書類作成の部分でFormBridgeを、メール送付にkMailerを活用されています。これまで少なくとも郵送だけで1日以上かかっていたリードタイムが、最短でその日中に意思確認できることもあります。これまでは一つの案件に、平均1〜2週間程度のリードタイムがかかっていたので、かなりの時間短縮に成功しています。

また、誰がどの物件と紐づいているかを確認するため、FormBridgeの公開フォームURLに「物件名や部屋番号、契約満了日」などの情報を組み込むことで、一目で契約内容とお客様情報が確認できるよう工夫されています。
物件名や部屋番号、契約満了日などの情報をURLに組み込むことで、一目で契約内容とお客様情報が確認できるよう工夫されています。

▲kintoneアプリでの短縮URLのフィールド設定画面。部屋番号やオーナーの連絡先など必要な情報が紐づくように設定されている。


▲kintoneアプリのレコード詳細画面。

※フォーム上へ初期値を設定する方法については以下の記事をご覧ください。
https://toyokumo-blog.kintoneapp.com/formbidge_multipleform/

【活用事例5】FormBridgeで実現した賃貸のセルフ内覧!営業担当者の1時間の付き添い時間がゼロに!

またFormBridgeは新たな仕組み導入にもつながっています。それがセルフ内覧です。
これは内覧を希望する方が、ご自身のみで物件に足を運んでいただくというサービスです。これまでは賃貸部門でのみ行っていましたが、不動産の戸建てでも対応しようということになり、そのフローの中でFormBridgeをご活用いただいています。

「内覧時には本人確認を行っていますが、セルフ内覧ではそのタイミングがないため、事前に本類確認書類を提出いただく必要があります。これまでは事前に営業所に来店していただき、本人確認書類のコピーを取らせていただいてから物件の鍵をお渡しするという流れでした。

ただ、一度ご足労いただくご面倒おかけするということもあり、FormBridgeで訪問時間や本人確認書類の提出、注意事項やキー番号を共有する流れに変更しました」(小林氏)

セルフ内覧の場合、営業担当者が付き添って対応する必要がありません。そのため、これまで最低でも1時間程度かかっていた内覧時間を他の仕事に振り分けることができ、大幅な業務改善につながっているといいます。

▲FormBridgeで作成した、セルフ内覧前に事前に送付する本人確認提出フォーム。

▲フォーム上で次のステップへ進むと、ラベルを利用し注意事項が明確に記載されている。

また、お客様とのやりとりにはkMailerが使われており、対応履歴やテンプレートを使ったメール送付、終了後のアンケート連絡などスムーズな業務フロー構築につながっているといいます。

※ 複数ページにまたがるフォームの作成については以下をご参照ください。
https://guide.kintoneapp.com/formbridge/step/

【活用事例6】FormBridgeで請求書と見積書の受取作業を効率化。送付元情報が自動で一覧化

アドレスでは請求書や見積もり作成にもFormBridgeをご活用いただいております。

<導入前>
これまでは各業者からの請求書や見積書が全て紙で届いていたため、担当者が目視で確認する作業が非常に大変でした。また、送付元や対象となる業務を確認するのにも時間がかかっていたといいます。

「送り主が誰なのか、パソコンに保存している営業リストを確認しないとわからないので、紐づけに時間がかかっていました。それでも担当者がわからないこともあるので、その際は全社員宛にメッセージを送るなど、手間のかかる作業が発生していました」(小林氏)

<導入後>
FormBridge導入後は、請求書と見積書の提出フローをオンラインフォームでの提出に変更。取引先がフォームから提出すると、経理だけでなく営業担当者にも自動で通知が届くよう設定されています。

「弊社にはグループ会社もあるため、フォームには会社名や先方の担当者名の他、どの会社宛てなのかを選択する欄も設けています。そのため、一目で営業担当者やどの会社からのものなのかが判別できるのでとても助かっています。

▲FormBridgeによる見積書と請求書の提出フォーム。原本郵送不可にすることでkintoneによる一元管理が可能に。

また、まれにこちらが想定していなかった請求書が届くこともあるので、営業担当者にもチェックしてもらうような流れを作っています。お陰で経理での請求書チェックや振込作業などがスムーズになりました」(小林氏)

kMailerとFormBridgeの活用でリスト活用や郵送の手間の大幅削減が可能に

kMailerとFormBridgeの導入で、さまざまな効果を感じていらっしゃる同社では、今後もアナログ作業の業務効率化を目指したいといいます。
郵送費が高騰する中、コストだけでなくリードタイム削減も見込める業務改善を目指していらっしゃる方は、ぜひ今回の事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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記事公開日:2024年11月29日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります