全国36店舗への情報共有でインテリア業界の常識を覆す! ~小売業がトヨクモkintone連携サービスで実践する業務効率化の秘訣~
株式会社アクタスは、「衣・食・住」に関する商品・サービスを提供しているライフスタイルカンパニーで、全国36店舗で家具やインテリア雑貨を販売し、法人向けではオフィス提案を行なっています。また、不要になった家具の下取りや、不要家具の再資源化と再利用など、資源循環に関する取り組みにも注力しています。
株式会社アクタスでは、アフターサービス領域における情報管理体制の改革を目的に、2020年9月頃にkintoneを、2021年1月からFormBridgeを皮切りに、トヨクモkintone連携サービスを順次導入。現在も、業務を効率化するための取り組みを継続して行っています。
この記事では、株式会社アクタス トレードインサービスの青松 崇史氏、コンタクトセンターの小鑓 大介氏(二人ともIT業務の経験はなし)に、トヨクモkintone連携サービスの導入前に抱えていた課題や活用事例、導入後の効果についてお話を伺いました。
トレードインサービスの青松 崇史氏、コンタクトセンターの小鑓 大介氏
情報の属人化が顕著だったkintone導入前
kintone導入以前、株式会社アクタスでは、家具修理案件の管理を、担当者それぞれのExcelやノートで行っていました。時には、案件の情報共有のために、紙資料を印刷して、メモを書きながら進捗を管理することも。そのため、担当者以外からは案件の進捗状況が見えにくく、情報共有の遅延や工数管理ができないといった問題が発生していました。この情報の属人化は取引実績やお客様のニーズといった情報の把握を困難にし、事業運営のPDCAサイクルも回しづらい状態にしていました。
▲kintone導入以前に利用していた案件管理用のExcel
また、接客が主な業務のため、業務課題を紙や既存ツールで処理することに慣れていることも要因の一つだったと考えると、青松氏は説明します。
そもそも、実店舗での販売が主要事業であるアクタスは、お客様と直接やり取りを行うことがメインの業務。そのため、接客以外の業務で何かしらの課題を抱えていたとしても、扱いに慣れている紙や既存のツールで運用してしまっていました。(青松氏)
店舗や事務所で、紙の書類が山積みになっている状態も垣間見れたためkintone導入による業務改善が大きく前進することになりました。
複数のチームでトヨクモkintone連携サービスを導入し、業務効率化や新規事業の立ち上げに寄与
【FormBridgeの導入】
情報の属人化を解消するためにkintoneを導入したアクタスですが、同時並行でkintone連携サービスやプラグインの検討を進め、業務効率化の幅を広げていきました。
その理由の一つが画像のダウンロードに費やしていた時間の長さ。家具の修理や下取りを行う部署では、状態確認のため写真の保管と確認が欠かせません。以前はお客様がお申込みする際、スムーズにアップロードできていましたが、スマートフォンのカメラの進歩により、画像の高画質化と比例してファイルサイズも増大。結果、ダウンロード時間がかかるようになってしまったそうです。同時に、大容量の画像データを確認するために、ダウンロードにも1枚あたり5分もの時間を要していました。1日に届く画像は40枚ほどだったため、ダウンロード作業だけで3時間以上を要していました。
そこで、大容量のファイルをスムーズにアップロードできるFormBridgeを導入しお客様の負担を減らしました。これによりkintone上ですぐに確認を出来る仕組みを構築し、業務効率化を目指しました。FormBridgeの導入により、画像のダウンロードにかかっていた時間が1ヶ月あたり15時間ほど削減されたそうです。
参考記事:フォームブリッジの添付ファイル機能を解説!フォームで効率的に情報を集める方法|kintoneapp BLOG
【kMailerとkBackupの導入】
画像ダウンロード時間の短縮は、他のトヨクモkintone連携サービスを導入して、業務効率化の幅を広げる余裕も生み出しました。
例えば、作成した見積書をお客様に自動送付するためにkMailerを導入。
また、過去にkintone内のお客様情報を誤って削除してしまった経験があったため、kintoneの標準機能よりも長くデータを保管できるkBackupも採用されました。
【kViewerの導入】
さらに、トヨクモkintone連携サービスは業務効率化以外の効果も生み出しました。
kViewerでは、新サービスの立ち上げに貢献。導入検討時、新規事業として下取りサービスの開始を検討していましたが、協力業者と、どのように情報共有していくかという点が課題でした。
また、kintone内の情報には顧客情報なども含まれるため、セキュリティ面の配慮も欠かせません。同時に、協力業者によってPCやタブレット、スマートフォンでの確認など環境が異なることなることも課題でした。
そこで、様々な環境で確認しやすく、公開範囲を自由に設定できるkViewerを導入して課題を解決。新規事業のスタートに大きく貢献しました。
【PrintCreatorの導入】
その他、PrintCreatorも導入されており、業務フローそのものが改善されています。大型ミラーや家具の施工指示を担当するチームでは、協力業者に対して施工依頼書を作成する必要がありますが、以前はkintoneに入力した情報を別の帳票出力ツールに転記するフローを取っていました。しかし、このフローでは手間がかかる上、転記ミスなどのリスクもあるため、kintoneの情報を参照できるPrintCreatorを導入することに。その後、施工依頼書を容易に作成できるようになり、業者から見積もりを入手するまでの時間が月あたり18時間ほど削減されました。
このように、幅広い業務で導入されたトヨクモkintone連携サービスですが、大きな決め手となったのは「各サービスの連携が可能である」点と、「作業や接客中にタブレット、スマートフォンを利用するユーザーとも情報共有ができる」点。単体での活用に留まらず、連携とユーザーへの共有に制約がなく、活用の幅を広げられる部分に可能性を感じ、採用に至りました。
PrintCreator、FormBridge、kViewerで全国36店舗への情報共有や事業改善の基盤構築を実現した活用例3選
株式会社アクタスでは、kintoneとトヨクモ kintone連携サービスを活用し、様々な業務で効率化を実現しています。具体的には、ポータルサイト上に複数のアプリを用意し、用途に合わせて使い分けられているそうです。
▲各アプリが配置されたkintoneのポータルサイト
ここでは、その中でも特に高い効果が出た活用例を3つご紹介します。
家具の査定書作成や引取り業務の効率化(PrintCreator、kMailer、FormBridge、kViewer)
【活用事例1:家具の査定書作成業務】
アクタスでは、家具の下取りサービスを行っていますが、トヨクモkintone連携サービスの導入以前は情報共有に課題がありました。査定を受けたお客様は、全国にある36店舗のうち、どこに来店されるかわからないため、全店舗へ査定情報の共有が欠かせません。しかし、紙による送付はお客様の個人情報を保護する観点から実施不可。情報共有の仕組みが確立されていなかったことで、サービス運用上の大きな課題になっていました。
そこで、PrintCreator、kMailer、FormBridge、kViewerを活用し、リアルタイムかつ安全に情報を共有できる仕組みを構築しました。
まず、kintone内の情報を参照し、PrintCreatorで査定書を作成します。
▲PrintCreatorで作成した査定書
査定書の作成後、お客様にはkMailerで査定書が自動送信され、アクタス側ではkintone内のマスタデータ管理画面にPDFが格納されます。これにより、各店舗の担当者も公開範囲が限定されたkViewerから、査定に必要な情報のみ確認できる状態に。
▲各店舗の担当者がアクセスするポータルサイトのメニュー画面
▲店舗担当者が査定情報を確認するkViewerのリストビューと個別案件の詳細画面
詳細画面には、FormBridgeで作成した「買い替え情報入力フォーム」に遷移するボタンを配置。接客中でもタブレットを活用して、フォームから、受注金額、引取日といった情報を入力後、kintoneのマスタデータも書き換えられる上、本社の担当者に自動通知が届く仕組みになりました。
▲FormBridgeで作成した「買い替え情報入力フォーム」
【活用事例2:家具の引き取り業務の効率化】
また、家具を引き取るドライバーに対しても、情報共有の効率化を構築しています。査定情報と同様にkViewer上での共有を実施しており、作業中でもスマートフォンから受付番号を元に該当の案件を検索。詳細ビューには査定書や現状写真を表示しているほか、引き取り時の情報入力フォームも用意しています。
▲kViewerで作成されたドライバーさん用の案件詳細ページ
査定書作成から店舗対応、ドライバーの引取りまでといった一連のフローを業務にトヨクモkintone連携サービスを活用したことで、導入以前に比べて工数が1/5ほどになったそうです。また、全国36店舗でのリアルタイムでの情報共有が実現され、セキュリティと利便性を両立した運用が可能になりました。
【活用事例3:実績の可視化(kViewer)】
トヨクモkintone連携サービスの活用により、家具の下取りサービスで発生する業務が大きく効率化されたのと同時に、kViewerを活用した実績管理も可能になりました。
下取りサービスをはじめとする各種業務では、ステータスやお取引件数などの情報を管理しており、これをkViewerのグラフビューと連携。月ごとの依頼件数や成約件数などを視覚的に把握することが可能になり、今後の業務改善策を検討する際の貴重な資料として活用されています。
▲kViewerの高度なグラフビューで作成された実績管理ページ
トヨクモkintone連携サービス活用の今後の展望~更なる業務効率化と顧客満足度の向上へ~
アクタスは、下取りサービスや実績の可視化など、様々な業務で効率化を実現しました。 その大きな要因となったトヨクモkintone連携サービスについて、魅力的だった点は「安心感」だと言います。
機能面では、業務改善に必要な機能が揃っている上、開発に関する知識がなくても理解できるようなUIとなっている点から、「IT経験がなくても使いこなせそう」という安心感を抱いています。
また、万が一わからない内容が出てきても、サービス提供会社であるトヨクモさんがユーザーコミュニティを準備していて、サービスを導入しているユーザー間でコミュニケーションが可能です。コミュニティ以外にも、インターネット上に参考情報が多く掲載されていますし、お問い合わせも迅速に対応していただけます。トヨクモさん自体も、規模の大きい会社さんなので、安心して使うことができていますね。(青松氏)
“わかりやすさ”という部分にも安心感を抱いていますね。私の部署では、社内で業務の引き継ぎを行っている最中ですが、後任の者はこれから情報をキャッチアップして、システム運用を行うことになります。そういった場合でも、画面や運用方法がわかりやすいことで、不安なく引き継ぎができる点が大きなメリットだと感じています。(小鑓氏)
最後に、トヨクモkintone連携サービスを活用した、業務改善の展望について、青松氏にお話しいただきました。
今までは、業務効率化的な活用が中心でしたが、これからは業務で関わってくださる業者様へのフィードバックなどでも使っていきたいです。私たちは、家具の修理や取り付けといった業務で外部の業者様と関わっています。家具を納品した際、お客様からお喜びの声をいただくことがあるのですが、業務を助けていただいた業者様にはその言葉を伝えられていない状態です。今後は、なるべく手軽にお客様からのお声を伝える仕組みを作って、より良い関係で業務にあたれるようにしていきたいですね。(青松氏)
記事公開日:2024年10月18日
※事例記事の内容や所属は取材当時のものとなります