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ロート製薬株式会社様

ロート製薬が、kintone x トヨクモ製品を活用して1600人のイベント申請システムを構築!



ロート製薬株式会社は、明治32年に胃腸薬「胃活」を発売した山田安民薬房として創業し、明治42年に点眼薬の「ロート目薬」を発売しました。その後、昭和24年にロート製薬株式会社を設立し、今にいたります。医薬品と化粧品、機能性食品(サプリメント)の事業を柱としており、やはり目薬の「Vロート」シリーズが定番です。しかし、実は売上の半分は化粧品が占めており「肌ラボ」「オバジ」「デ・オウ」などが人気です。

そんなロート製薬は、2019年に創業120周年を迎え、2030年のありたい姿を示すロートグループ総合経営ビジョン2030「Connect for Well-being」を制定しました。ビジョン実現に向け組織全体の強化、特に営業部門内とその関係部門を横断した情報共有を進めるためSFA用途でkintoneを導入しました。

様々なアプリでkintone活用が進む中、社員のワクチン接種や体力測定、社用バス利用の申し込みをkintoneで管理したいというニーズが出てきました。しかし社員が約1600人いるので、全社員にkintoneアカウントを用意することはできません。そこでトヨクモ製品を活用し、全社員が利用できる予約システムを構築しました。

今回は、トヨクモ製品を使って社内のkintone活用を推し進めた経緯と導入効果について、東京ビジネス&システムセンター アプリケーションシステムグループ 柴田久也氏にお話を伺いました。



1600人の社員からのイベント参加申請をkintoneで管理したい


2019年当時、柴田氏は営業部門に在籍していました。営業部門では日々、小売様本部担当者と商談を行っているのですが、商談内容や店頭から得られる情報(お客様の購買動向や競合情報など)が社内に散在していて探しにくく、利活用しにくい状況になっていました。そこで、いわゆるSFA(営業支援)のような用途として、プラットフォームとなるツールを探したそうです。そんな中、kintoneと出会い導入することになりました。

「例えば営業なら業務報告をしますが、所属するチームによって、日報だったり週報だったりとバラバラの運用でした。受け手側としては情報にリーチしにくく、課題に感じていたのです。そこでkintone上で定型化したフォーマットを作り、毎日書くことをルールにして情報の見える化を図りました」(柴田氏)


ロート製薬株式会社 東京ビジネス&システムセンター アプリケーションシステムグループ 柴田久也氏


そのおかげで、定性・定量情報の集約、その情報をもとにした部門間連携やコミュニケーション強化に寄与できたそうです。また、Excelで行っていた一部業務をkintoneに移行したことで、誰かが共有ファイルを編集しているから触れないとか、同時編集してファイルが破損してしまったというトラブルから解放されるというメリットもありました。

このようにkintoneの社内活用が進むにつれ、他の部署の人からも「kintoneって何ができるの?」と質問が寄せられるようになりました。そんな中、社内の予約管理を何とかできないか、という話が出たのです。

ロート製薬では、人事総務が社内イベントの予約管理業務を担っていました。健康診断やワクチン接種、体力測定といったイベントの予約を受付しているのですが、従来はもちろんすべてExcelで管理していました。

ワクチン接種のように希望者が申込を行う予約任意型イベントでは、メールや電話、共有サーバー上のExcelファイル(時間割)への直接記入で希望日時を受付け、変更があれば空き時間を探しながら変更処理を行う運用をしていたそうです。健康診断のように全社員受診が必要な予約必須型イベントでは、人事総務側が時間割をExcelで作成し、社内ポータルサイトで共有するのですが、当然指定された時間に受けられない人も出てきます。その場合はまた変更しなければならないのですが、メールや電話受付など、管理方法がバラバラでした。

イベントの頻度は多くないものの、担当者や管理者はイベント前から終了まで、この業務にかかりっきりになってしまうくらいの工数がかかっていることが問題になっていたのです。

「イベントや拠点ごとに予約管理方法がバラバラで、各担当者に管理方法すら依存している状態でした。弊社はジョブローテーションが多いので、引き継ぎづらいし、引き継がれた側からしてもどうしていいのかわからないという状況になっていたのです」(柴田氏)

kintoneでデータ管理することはできそうですが、社員からの申請をどうするかがネックになりました。社員全員がkintoneアカウントを持っているわけではないからです。

柴田氏はサイボウズ社が主催するイベントや展示会で、トヨクモ製品のことは認知しており、改めて「フォームブリッジ」と「kViewer」について調査したところ、課題を解決できそうだと導入していただくことになりました。



問い合わせが大幅に減って担当者は本業にフォーカスできるようになった


フォームブリッジでは、新規予約の受付と変更受付の2つのフォーム、kViewerでは、カレンダービューとリストビューの2つのビューを作りました。希望者が申込を行う予約任意型イベントでは、カレンダービュー上で予約可能な残りの人数が表示されているので、希望日時をクリックすると予約申込画面へ遷移します。

カレンダービュー上で、予約可能な残り人数を確認できます。


全員参加(予約必須)型イベントの場合は、日時があらかじめ割り振られているので、リストビュー上で自分の名前や社員番号で検索します。すると、自分の予約が出てくるので、都合が悪ければ予約者自身で変更予約をすればいいのです。

リストビューで自分の予約を確認できます。


「予約日時を変更する」ボタンから、変更することができます。


フォームブリッジとkViewerを使い始めたのは2021年9月ですが、翌10月にはもう構築を行い、11月には上野工場で体力測定の予約申し込みとして公開しています。

「フォームの設定やビューを作るのがとても簡単で、1ヶ月間で作れてしまいました。その際にこだわったのが『シンプルイズベスト』という点です。それこそマニュアルがなくても使えるように、ユーザビリティを高めたかったのです。パワーを使ったのは、従来のExcel運用からWeb申し込みに変えたので、混乱を招かないよう社内に周知したところです。ポータルに掲示するだけでなく、人事と協力しながら個別にメールしたりと念には念を入れました」(柴田氏)

予約新規受付のフォーム画面です。

フォーム画面だけを見ると入力項目の数も少なくシンプルです。しかし、導入効果はとても大きいものでした。イベント申し込みの受付時は、手が離せないほどの手間がかかっていたのに、拠点やイベントによっては問い合わせがゼロになりました。以前は「Excelがちょっと開けないので、代理で僕の予約時間を変更しておいて」といった依頼もあったのですが、フォームブリッジであればそんなことも起きません。


人事総務内では予約申し込みの問い合わせがなくなったという点に関して、他の仕事にリソースを振り分けられたという声があったそうです。このような業務改善を手軽にできるのが、kintoneやトヨクモ製品の大きなメリットと言えるでしょう。

「社内で一定の成果が出ると良い噂話も拡がるのは早いもので、評判を聞きつけた人が、"こういうことできないの?" と問い合わせてくれるようになりました。その時、実は"kintoneでこれできないの?” とは言われません。社員の多くはフォームブリッジとkViewerの画面を見ているので、kintoneを使っていることを知らないのです。例えば、ワクチン接種の予約受付システムのように、社用バスの予約システムも作れないか? と打診されるのです」(柴田氏)

ロート製薬は大阪市生野区に本社があるのですが、大阪市北区にもグランフロント大阪オフィスがあります。その間をバスが運行しているのですが、この予約をkintoneで管理しようというのです。ワクチン接種のような希望者が受けるイベントの仕組みを流用することで、あっという間にバスの予約システムも作ってしまいました。

「まさに今開発しているアプリがあります。大阪工場に社員が入るときには健康チェックを行う必要があるのですが、これまでは、紙にマルとバツを手書きして管理していました。当然とても手間がかかり、課題になっていました。そこで、フォームブリッジとkViewer で申告してもらい、レコードに情報を残せるようにしたいと考えているのです」(柴田氏)

他には、産育休休職者に社内状況の共有や書類の提出依頼などを行う必要があるのですが、センシティブな情報だとメールでやり取りするのも心配です。

「これらの課題にはToyokumo kintoneApp認証が使えるかな、と思っています」と柴田氏。Toyokumo kintoneApp認証は作成したビューにアクセスする際、メールアドレスでの認証制限をかけられる機能です。特定のユーザーにだけビューを見てもらいたいときに便利に、且つセキュアに使えます。

トヨクモ製品について感想を聞いたところ、「社員と話していると、フォームブリッジとkViewerは、すごく簡単ですぐ使えるね、という話になります。kintoneプラグインの原点にして頂点ですよね」とお褒めの言葉をいただきました。


最後に、今後の展望について伺いました。


「今後は社内だけでなく、外部とのコミュニケーションやデータのやり取りに使っていきたいと考えています。新商品を発表する際の記者会見での申し込み受付けにも活用できそうです。社内では、バックオフィスや管理系部門でもコアになるような仕組みを作って、もっとkintoneとトヨクモ製品の活用を推進していきたいです」と柴田氏は締めてくれました。